「ネット」「外国人参政権」共同通信の悪質な印象操作ではないか

こういう報道の仕方はどうかとおもいます。

 ネットが行動引き金に 民主党本部に侵入の男(共同通信

 政権交代に伴い「国会や皇居並み」(警視庁)の厳重な警戒が敷かれるようになった民主党本部に10月、木刀を持った男が侵入して暴れ、現行犯逮捕された。インターネットの民主党批判に触発されたと供述、警視庁は「今後も同様の事件が起きる可能性がある」と警戒を強めている。〔・・・〕
 相川被告は、在日韓国人ら永住外国人への地方参政権付与や夫婦別姓問題をめぐり、民主党の政策を非難する主張をネットで閲覧し、党本部に出向いたという。


 この記事で気になった部分は二点あります。

1)事件当時、民主党本部は「国会や皇居並み」の警戒が敷かれていたと言えるのか

 朝日新聞の記事によれば・・・ 

 党本部の警備面の手薄さは以前から指摘されていた。10階建てビルの4〜8階と10階に党本部、ほかの階には民間会社2社も入居しており、党に用のない人も多く出入りする。そのうえ、1階の正面玄関が狭く、受付を設置する余地がない。2基あるエレベーターに乗れば、どの階にも行ける。8月の衆院選前は警備員さえ置いていなかった。

 最初に引用した共同通信の記事では、当時の民主党本部に厳重な警戒が敷かれていたように報じられていますが、上記朝日新聞の記事では、民主党本部の警備面の手薄さが指摘されており、必ずしも「厳重な警戒」が敷かれていたわけではないことが分かります。
 共同通信の記事だけを見ると、民主党本部に立ち入った男が厳重な警戒を、まるで木刀をもって暴力を行使しながらかいくぐったかのように読めますが、朝日新聞の記事では、そのような内容の報道がなされていません。
 朝日新聞の記事では、次のように書かれているだけです。

 民主党本部が入るビルの1階正面玄関にスーツ姿の男が現れた。警備員にもとがめられず、エレベーターで7階に上がり、同党の受付の女性の前で木刀(長さ53センチ)を取り出した。非常階段を使って8階の代表室に侵入し、机の上にあったパソコンを木刀でたたき壊した。

2)「インターネットの民主党批判に触発された」ことをなぜ強調するのか

 共同通信の記事の見出しだけでなく、本文すべてを読んでいただければわかりますが、記事の趣旨としては、暴力行為をした男に対する非難以上に、男を暴力に駆り立てていったインターネットのほうに非難の力点を置いているように読めます。

 まるで、民主党批判をするインターネットが悪いから、このような男が出てきたのだ、と言わんばかりの書き方です。

 さらには、男が<永住外国人への地方参政権付与や夫婦別姓問題をめぐり、民主党の政策を非難する主張をネットで閲覧>などという情報を、わざわざ付け加えて報道しています。

 私は、暴力行為を手段に政治的主張を押し通そうとすることは、どのような事情があっても許されるものではない、と考えています。
 だから、このような形で民主党本部に立ち入り、暴行行為に出た男の行動は許し難いものです。

 しかし、わたしがそれ以上に問題視したいのは、それを報ずるマスコミの対応の仕方です。
 マスコミは、今回の男について、その政治的主張を報道しています。彼が外国人参政権に反対していることなどを報道してしまえば、男の思う壺ではないでしょうか。
 中には、このような報道を通じて、「あ、これで自分の主張が報道されるんだ」と思ったバカが出てくるかも知れないというのに、なぜ、わざわざマスコミはこの男の政治的主張を報ずるのでしょうか。

 それに、インターネットと男の行動を直接結びつけようとするのもおかしいようにおもいます。
 インターネットの民主党批判を見た人が、全員、民主党本部に赴いて、犯罪行為をするのでしょうか。

 そんなことはないはずです。

 それにもかかわらず、見出しを<ネットが行動引き金に>として、ネットが犯罪を引き起こしたと断定しています。

 非難すべきは、暴力をもって政治的主張を突き通そうとした男の行為であって、政治的主張を展開するネットではありません。
 共同通信の記事は、そう言う意味で違和感を覚えますし、そのような報道こそが、かえって犯罪を誘発するきっかけになりかねないことを今一度考えて欲しいものです。

theme : マスコミ
genre : 政治・経済

tag : マスコミ 民主党 外国人参政権 ネット 鳩山由紀夫

  

Beads about his neck, and the Devil in his body.

「開かれる」ことが、常に正しいとは限らない、ということではないでしょうか。

開かれた党、警備に悩み 民主党本部で先月侵入事件

 東京・永田町の民主党本部に男が侵入し、鳩山由紀夫首相のパソコンをたたき壊す事件が10月下旬に起きた。〔・・・〕とはいえ、「開かれた党」を掲げる同党。ビルに間借りしている事情もあり、「鉄壁の守り」とはいかないようだ。〔・・・〕
 山梨県のアルバイトの男(24)は、同党が掲げる永住外国人への地方参政権付与や選択的夫婦別姓導入が気に入らず、「パソコンを壊せば政策をつぶせると思った」と供述したという。
 党本部の警備面の手薄さは以前から指摘されていた。10階建てビルの4〜8階と10階に党本部、ほかの階には民間会社2社も入居しており、党に用のない人も多く出入りする。そのうえ、1階の正面玄関が狭く、受付を設置する余地がない。2基あるエレベーターに乗れば、どの階にも行ける。8月の衆院選前は警備員さえ置いていなかった。

 最近の日本国民は、「開かれている」ことが、民主的で望ましいことだと感じています。
 先の「事業仕分け」もそうです。事業仕分けの過程が国民に公開された状態でおこなわれていることは、国民からも高く評価されています。

 しかし、現実には「開かれている」ことが常に正しい結果をもたらすわけではありません。

 私は、上記記事の男のやったことを正当化するつもりはまったくありませんし、「外国人参政権が気に入らない」と言い張っている男が、有形力の行使(実力行使)に出てしまったことで、外国人参政権に反対する人々の世間のイメージを悪くした点は否定できず、その意味では、よりいっそう腹立たしくおもいます。

 ただ、民主党本部が杜撰な危機管理体制であったことは間違いないでしょう。

 「開かれた政党」をもって警備の手薄さを正当化することはできません。
 民主党本部のやっていた「開かれた政党」の内実は、「危機管理能力の欠如を国民に露呈すること」だったのでしょうか・・・

theme : 民主党
genre : 政治・経済

tag : 民主党 開かれた政党 鳩山由紀夫 外国人参政権

  

Names and natures do often agree.

 玻南ちゃんダメ?…名前受理されず、最高裁へ

 「玻(は)」という漢字を名前に付けた娘(生後11か月)の出生届を、名古屋市が「人名用漢字ではない」などとして受理しなかったのは不当だとして、同市東区の両親が受理を求めた裁判で、名古屋高裁は先月、訴えを退けた。
 このため矢藤仁さん(40)、清恵さん(38)夫妻の次女、玻南(はな)ちゃんは戸籍がないままで、両親は近く、最高裁に抗告する考えだ。
 「子供をおとしめる文字ではなく、意味のない当て字をしたわけでもない。思いを込めた名前をつけてあげたい」と訴えている。
 旧約聖書に登場する女性「ハンナ」と、「瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る」(つまらないものと混じっていても、素質の優れたものは輝いてすぐにわかる)ということわざから命名した。
 戸籍法は、名前に使う漢字は「常用平易な文字を用いなければならない」と定めており、市は、「玻」が常用漢字や人名用漢字にないことを理由に、出生届を受理しなかった。
 両親は名古屋家裁に審判を申し立てたが、1月に却下。即時抗告したが、名古屋高裁でも10月27日、「明らかに常用平易と認められない以上、戸籍上で使えないことはやむを得ない」との判断が示された。


 記事にもありますが、戸籍法は<常用平易な文字を用いなければならない>と定めています。親には、子に対する命名権(名付ける権利)がありますが、戸籍法は、名が社会的に重要な意味をもつことに鑑みて、誰でも読み書きができるような漢字を使うことを求めていることから、命名権を合理的に制限する趣旨の規定を置いたのです。

 命名権と言えば、思い出すのは、「悪魔ちゃん」事件ではないでしょうか(上の記事の事案とは少し性質が異なりますが)。

 自分の子どもに「悪魔」という名前を付けたところ、(東京都)昭島市が出生届を受理したのですが、後に法務省民事局長の指示で法務局支局長が勝手に「悪魔」と記載された名前欄を消して、「名未定」との文字を付したことが、違法ではないか、という事件です。
(この事案の説明を読んでいただければ分かるんですが、当時、マスコミから「悪魔ちゃん」裁判として騒がれはしたものの、実際の裁判は、行政が勝手に出生届の名前欄を消してもいいのかどうか、が争点になっていました。)

 命名権に関する裁判としては、名古屋で昭和38(1963)年に母親と同じ名前を子に付けたために、行政が出生届を受理しなかったことが違法ではないかが問われた事件がある程度で(不受理は適法とされました。)、本件は命名権を直接争った初めての裁判でした。

 まず、行政側は、(1)「悪魔」との名は問題がある、(2)したがって、名前欄を抹消した行為は適法だ、というロジックをもって反論をしていましたが、原告の側は親の子に対する命名権を侵害されたとして抹消行為は違法だ、としました。

 判決は次のようなものになりました。

 東京都昭島市長は、申立人(親のことです。)が、平成5年8月11日にした長男の戸籍に記載し、長男の身分事項欄の「名未定」との記載を抹消し、もって、長男の名の受理手続を完成せよ

 つまり、昭島市長は、消してしまった「悪魔」との名前欄を記載し直すとともに、抹消時に記載した「名未定」の記載を消せ、というものでした。

 判決理由のポイントは以下のとおりです。

1.名は極めて社会的な働きをしており、公共の福祉にも関わるものであるから、社会通念に照らして明白に不適当な納屋一般の常識から著しく逸脱したと思われる名は、戸籍法上使用を許されない場合がある。このことは、たとえば、極めて珍奇な名や卑猥な名等を想起すれば容易に理解できる。

2.明文上、命名にあっては、「常用平易な文字の使用」との制限しかない。

3.命名権の行使は、全く自由であり、一切の行政による関与が許されず、放置を余儀なくされるとするのは相当でなく、その意味で規制される場合のあることは否定できない。

4.命名権の濫用にわたるような場合や社会通念上明らかに名として不適当と見られるとき、一般の常識から著しく逸脱しているとき、又は、名の持つ本来の機能を著しく損なうような場合には、戸籍事務管掌者においてその審査権を発動し、ときには名前の受理を拒否することも許される。

5.(悪魔という名は)申立人(親)のいう本件命名に起因する刺激をプラスに跳ね返すには、世間通常求められる以上の並々ならぬ気力が必要とされると思われるが、長男にはそれが備わっている保障は何もなく、申立人自身が、上記の通り本件命名に起因する刺激のために、勤務先を退職していること等よりしても、本件命名が申立人の意図とは逆に、いじめの対象となり、ひいては事件本人の社会不適応を引き起こす可能性もあり得る、というべきである。

6.本件「悪魔」の命名は、本件出生子の立場から見れば、命名権の濫用であって、前記の、例外的に名としてその行使を許されない場合、と言わざるを得ない。

theme : 気になったニュース
genre : ニュース

tag : 命名権 悪魔ちゃん 玻南ちゃん 戸籍法

  
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