マードック:何のために日本にやってきたのか

 
            マードック:何のために日本にやってきたのか

 以前、「世界のメディア王」と言われるルパート・マードック=ニューズ・コーポレーション会長=の動向は、国際情勢を見る上で極めて参考になる、と申したことがあったと思う。

 最近の例では、北京五輪だ。日本の志あるかたがたがチベットの人権に関心を寄せられ、北京五輪開催に抗議の意思を示してくださったのは記憶に新しいが、私はチベットを支持しながらも、北京五輪開催の方向性は変わらない、と述べた。
 その証拠に、聖火リレー後は、不思議なことに、欧米メディアは北京五輪とチベット情勢をリンクさせるような報道をしなくなった。

 なぜ、私がそのように考えたか。
 マードック氏が自身のニュースメディアを使って、露骨に北京を強力にバックアップしたからだ。

 一人の老人にそんなことができるか、という人も多いかも知れない。
 だが、世界中のマスメディアをその支配下に置いているマードック氏の影響力は米国大統領と同等、いや、それ以上と言っても過言でない。

 あらかじめ言っておくが、私はユダヤ陰謀論に与するものではないマードック氏がユダヤ系だからといって、決めつけで物を言うつもりはない。

 マードック氏の影響力については、映画評論家の町山智浩さんのblogが簡潔によくまとめられていて参考になる。少しばかり引用させていただきたい。

 戦争煽動を認めたメディア王ルパート・マードック
 http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20090621

 マードックがFOXニュースを使って国民にブッシュ政権を支持させ、イラク戦争を煽動したことは陰謀論でも何でもなく、マードック本人が認めた事実です。[…]
 アニメ「ザ・シンプソンズ」ではマードックのコネを使ってイギリスのブレア首相(当時)に本人の声をアテさせ、ブレアへの影響力を示しただけではなく、マードック自身が自分の声をアテて「私がメディアの世界支配を企むマードックじゃー」というセリフを言っています。
 「007トゥモロー・ネバー・ダイ」の悪役は、中国に衛星テレビで進出するために中国と英国の間に戦争を起こさせて、それを中継しようとするメディア王ですが、あれはマードックがモデル。
 実際にブレアとブッシュにイラク戦争を起こさせて、それを中継することでFOXニュースはCNNを抜いて視聴率ナンバーワンの座を奪うことができた。
 ブッシュ政権に都合のいいニュースしか流さなかったように、現在は中国政府に都合のいいニュース以外は流さないことで、世界最大の市場中国のテレビを支配しようとしている。[…]
 つまり勝ちそうな方、権力を握りそうな方に、左右を問わずに近寄って自分の懐に抱え込もうとするのだ。[…]
 だからマードックは単なるメディア王ではなく、世界の政治を実際に操る男の一人なのだ。

 町山さんのblogではイラク戦争の例が挙げられているが、マードック氏は、先の米国大統領選挙でもその強大な力を使って結果を左右動かそうとした
 実際、大統領選直前の米国オバマ礼賛報道は常軌を逸するものだった。今さらNewsweekなどは「オバマを礼賛したマスコミはナンチャラ~」と言い始めているが、「オバマ大統領」はマスメディアに担がれたのは否定できない事実だ。

 「世界のメディア王」マードック氏ははじめはヒラリー・クリントンを支持していた。

 しかし、面白いことに、選挙情勢がハッキリしてくると、マードック氏は、オバマ氏を支持。これまでオバマ氏を「チンパンジー」などと差別してきた人間が、「彼は大統領になるだろう」との予言をしてみせたのだ。
 私はそれを聞いて、「ああ、オバマが大統領になるのだな」と確信した。
 やはりマードック氏がオバマ支持を表明してから、FOXなどマードック氏の息のかかったメディアはもはやオバマ氏を批判しなくなった。マードック自身も、これまで自分がやってきたオバマ氏への痛烈な人種差別発言などを陳謝、オバマ大統領誕生まで惜しみないバックアップをすることを約束した(現に、マードックの娘がオバマ氏のために選挙資金集めを目的とするイベントを開催するなどして、資金的にオバマ陣営を支えたのであった。)。
 参考:http://thecaucus.blogs.nytimes.com/2008/04/01/murdochs-daughter-hosts-obama-fund-raiser/

 そのマードック氏が今月5日に日本を訪れたのをご存じだろうか。
 ちょっとエントリが長くなってしまったので、続きは後日書くが、マードックは意外な人と会談を行っている。

 ところで、マードック氏に関して述べたblogは日本でも有力なものがいくつかあるが、その多くがいわゆるユダヤ陰謀論だ。
 だが、私はそれには与したくはない。ほとんどが明確なソースなく書かれているからだ。
 ただし、マードック氏への警戒は怠らないようにしておきたい。個人的に、マードック氏は自分のメディアを使って、米国と中国の架橋を行おうとしているのではないか、と考えている。

 今年は何度「Japan Passing」との言葉を聞くことになるのだろう。。

* 次回更新 10/11今日もう一本上げます。

theme : 民主党・鳩山政権
genre : 政治・経済

tag : マードック マスコミ 民主党 小沢一郎 オバマ 米国

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