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Il testimone...

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[児童ポルノ改正法案]社民党の立場を支持したい

 児童ポルノの単純所持を規制する上で、最もネックとなるのは、表現の自由を萎縮させることです。

 児童ポルノの明確な定義が事実上不可能に近いだけでなく、わいせつ物に比べると、なにが児童ポルノであるかはその大部分が個人の主観に委ねられるので、表現の自由への萎縮効果が大きいように思います。

 私はこの点をもってしても、児童ポルノの単純所持を禁止すべきではない、と考えますが、明らかに日本への外圧は強まっています。しかし、海外のNGOなどは、日本が児童ポルノの発信源になっている、として日本に対する厳しい非難をやめません。中には、日本のアニメーションやテレビゲームが児童の性的虐待を招く原因になっているなどという、おそらく根拠のない意見を主張する活動家もいます。

 なお、表現の自由を侵害するとの指摘について、読売新聞の記事に出てくるNGOの事務局長は次のように答えています。

 <「表現の自由」の侵害が懸念されている点では、「多くの国で議論になったが、児童ポルノは重大な犯罪であり、まず子どもを守るのだと合意したうえで、各国とも両者のバランスをとる努力をしている」と紹介。
 「アニメやゲームなどの性的表現も『子どもを性的満足の道具にしている』という観点から、多くの国が処罰化を進めている」とし、日本での議論を促した。>

 こういうのを見ると、推進派は、結局、数年前から言っていることは変わらず、未だに「アニメ害悪論」みたいなものを垂れ流しているんだなあ、と感じます。

 また、表現の自由とのバランスも「まず子どもを守るのだと合意したうえで」と弁明するも、あまり説得力がないように見えます。
 それに、表現の自由に優越する利益をもって、表現の自由を制約できる、という論法は少し怖いですね。

 国内情勢が変わったなあ、と思うのは、これまでは、政権与党にいた自民党がこういった要望を真っ正面に受け止めて「児童ポルノの単純所持禁止」を推進してきましたが、今度は民主党のほうが敏感に反応してしまっているように見えることです。
 上の読売新聞の記事の最後にも、民主党議員の名前がちらっと出てきますね。

 セミナーに出席した国会議員からは「日本でも所持を禁止する法改正を急ぎたい」(民主党の小宮山洋子衆院議員)との発言があった。

 政権を奪取してからは、民主党は児童ポルノ単純所持を規制することに賛成の議員が多く見られるようになりましたね。
 いっぽう、連立を組む社民党は、おおむね子どもを性的虐待から守ることには賛成していますが、児童ポルノの単純所持を規制することについては、私と同じく表現の自由とのかねあいから慎重姿勢を崩していないようです。護憲派としては、正しい判断でしょう。
 この件に関しては、社民党の立場を支持したいとおもいますね。

テーマ:児童ポルノ法改正案 - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/12/07(月) 19:17:13|
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表現の自由に対する抑圧に繋がりかねない児童ポルノ禁止法

 読売新聞の報道によれば、児童ポルノ禁止法の改正案を、民主党自民党公明党の三党で今国会に提出する、とのことだ。社民党の了解を得て、提出される運びである。

 改正案の目玉は、なんといっても単純所持の禁止にある。
 児童ポルノを製造し、販売することだけに止まらず、より消極的な動作である「単純所持」まで罰金の対象とするものだ。

 他国では、すでに単純所持を罰する法案が整備されているが、他国でもたびたび行き過ぎた摘発がおこなわれて問題視されている(国によっては、日本のアニメ作品を持っていただけで逮捕された例もある。)。

 なにをもって児童ポルノと言えるのかどうかの定義が未だに明確でない以上、単純所持を禁止する改正案には賛成できない。

 法律は、常に国民の自由を侵さないことに最大の配慮をしなければならない。
 その法律が、一般人に「萎縮的効果」を与えるようなものは、憲法31条違反の疑いが強く、法の明確性を達しないものとして、排斥されるべきだとおもう。

 それが児童ポルノにあたるのかどうか、などというのは、実際、個人差が大きく、結局は感覚的なものに左右されることが多い。

 たとえば、我が国で「わいせつ」にまつわる犯罪がいくつか刑法典に規定されているが、裁判所は「わいせつ」について、次のように定義している。

 <いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為>(最高裁昭和32年3月13日大法廷判決)

 ハッキリ言って、ふつうの人は、判例の定義を見て「なんじゃこりゃ」と思ったに違いない。
 しかし、それも無理はない。法律家にも、この定義のことが良く分からないのだから。。

 要はこういうことだ。

1.いたずらに性欲を興奮又は刺激させ

 → ムラムラさせるようなもので・・・

2.普通人の正常な性的羞恥心を害し

 → 普通の人がいやらしいと思えるもので・・・

3.善良な性的道義観念に反する行為

 → こんなもんを放置したら、社会が乱れるようなもの

 けっきょくのところ、裁判官がエロいと思うかどうか、これですべてが決まる。それだけあやふやな概念だということだ。

 児童ポルノにも似たようなことがいえる。

 どこからどこまでが児童ポルノといえるのか、がまったく判然としないのである。

 民主党は、党内の反対意見に配慮して「過去に取得した児童ポルノについては処罰対象から外す」としたが、なにを基準に「過去に取得した」と言えるのかどうかも曖昧だ(取得時が「過去」なのか、出版時期が「過去」なのか、といったところにも言及していない)。

 社民党が慎重論を唱えているように、この種の「曖昧さ」が残る法案は、濫用されやすく、それ故、人の自由を抑圧する危険性が極めて高い。

 これから「"これ"を持っていて良いのか分からない」という疑問を持つ人が何人も出てくるだろうが、こういう事態を招くことそのものが自由への抑圧だ。
 


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  1. 2009/11/17(火) 20:29:07|
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