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Il testimone...

人生朝露の如し 一日を大切に記していきます

〔天皇〕天皇の政治利用は日本国と日本国民を咎めるだけだ

 小沢一郎・民主党幹事長率いる民主党議員団が、13日に訪中・訪韓を終えて帰国しました。

 おおむね両国間の友好を強化するための訪問だと言われていますが、日本国民は物事の評価には両極面からのアプローチが必要だ、ということを知りません。

 その評価は良いか悪いかは論者の好みでしょうが、仮に今回の議員団の訪問(小沢氏はこれを「長城計画」と呼んでいます。)が東アジアの安定を戦略的に裏付ける試みがあったと好意的に評価するとしましょう。
 しかし、これでは物事の評価としては不十分だと言わざるを得ません。

 社会において、すべてはトレードオフの関係にあるのです。
 つまり、一方を求めれば、他方を失う。人間は社会に生きる以上、この二律背反(にりつはいはん)というパラドックスから抜け出すことはできないのです。

 今回の長城計画も同様です。小沢氏らの長城計画により、仮に上記のようなメリットを見いだせるとしても、その代わり、私たち日本国民は天皇陛下の政治的利用を許すという大きな痛手を被ることになりそうです。

 陛下のご体調に配慮して作られた「一ヶ月ルール」を無視して、官邸が二度にわたり宮内庁に対し、強硬に天皇陛下と次期国家主席と噂される国家副主席との会見をプッシュしたのは、小沢氏らの長城計画を成功させるためだ、と私は見ています。

 中国の胡錦涛国家主席が満面の笑みで彼らを出迎えた背景には、中国の国益のために我が国の天皇陛下を政治的に利用させる、ということがあったのではないでしょうか。

 マスコミの多くが、今回の議員団の訪中を手放しで評価していますね。例えば、こんな論評を載せています。

<中国、韓国を訪れた民主党の小沢一郎幹事長は13日帰国し、4日間の日程を終える。胡錦濤国家主席(中国共産党総書記)、李明博韓国大統領と相次いで会談し、両国との友好強化、草の根交流の促進など、東アジアの安定を重視する姿勢をあらためて印象づけた。世界が「米中の二極化」に変わりつつあると伝えられる中、日本の存在感が埋没しないよう、次世代を見据えた未来志向の外交戦略を展開した。>

 どこが「未来志向の外交戦略」なのでしょうか。
 むしろ今回の一件は、未来にわたって、国際親善・友好の名目で天皇を政治的に利用して良いという悪しき先例を生み出すことになるだけでなく、日本国と日本国民の両者の立場を貶める最低のおこないである、と言うべきです。

 また、今回の民主党議員団の訪中ですが、マスコミは「米国への牽制」の意味合いもあるとしていますが、私は、「"米国への牽制"という名の自作自演」だと考えています。
 普天間基地の移設は確かに重要な問題ですし、日米の関心事の一つですけれども、この件で米国がマスコミが報ずるほど怒り狂っているようには見えません。むしろ、米国は、日本がいつまでも決断を下さないことに戸惑い、日本政府の行動を理解できないでいる、ように思います(鳩山首相は「最後は私が決断する」と言っていますが、米国からしてみれば、それは「あたりまえ」のことなのです。米国は、日本側の対応を待っている状態に過ぎません。近時の日米対立は、政権が勝手にあおっているだけのことであって、政治的な軋轢はほとんど生じていないのではないでしょうか。)。

 さらに、小沢氏が訪中時に、中国国防相に対して「軍拡路線にくぎを刺した」ことを、マスコミは高く評価しているようですが、それも当たり前のことです。そのようなことすら言えないのであれば、戦略外交など夢幻に等しいと言えます。

<歴史的な政権交代があった。鳩山政権にも民主党にも不慣れはあろうが、天皇の権能についての憲法の規定を軽んじてはいけない。この大原則は、政治主導だからといって、安易に扱われるべきではない。今回の件を、悪(あ)しき先例にしてはいけない。 >

 と朝日新聞の社説が言うように、今回の一件は、中国の国益を優先するあまり、我が国の皇室、ひいては、日本国と日本国民を咎め、天皇陛下の築いてきた歩みを崩潰させることに繋がるだけだ。
 

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  1. 2009/12/14(月) 00:19:43|
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[中国]「一ヶ月ルール」を知らなかった官房長官に政治利用の自覚はないだろう

 どうやら天皇陛下と中国国家副主席(次期国家主席の可能性大)との会談を実現するために、民主党政権はかなり積極的に動いたようです。
 記事を簡単に要約します。
1.陛下の会見は1カ月前までに申請する慣例がある(一ヶ月ルール)。

2.中国は天皇陛下との会見を11月26日に申し入れていた(12月15日の会見を申し込んでいるので、明らかに一ヶ月ルールに抵触する。)。

3.羽毛田長官らの説明によると、宮内庁は、最初、外務省から打診を受けたが、その際には「ルールに照らし合わせて応じかねる」と返答していた。

4.外務省からの打診を断った宮内庁は、その後、平野博文官房長官から今月7日と10日の2度にわたり、電話で会見をセッティングするよう要請されたため、「内閣の指示に従わなければならない」として了承するに至った。

5.羽毛田長官は記者会見において「陛下の負担を減らすなどの目的でルールを定めてきたのに残念。二度とあってほしくない」と不快感を表明している。

 そもそも「一ヶ月ルール」は、天皇陛下のご負担を軽減することを目的とする内規であったことを考えますと、鳩山内閣としては、そのルールを尊重する必要があったと言えます。

 しかし、ここにきてバカバカしい事実も明らかになっています。
 

<平野氏は11日午前の記者会見で、「日中の関係というのは大事な関係であるというところから、(宮内庁に)お願いした」と述べ、応じる方向で調整していることを明らかにした。首相からの指示については「正しい記憶はないが、1週間くらい前に話があった」と語り、事実関係を認めた。平野氏は1カ月ルールについては知らなかったという。>

 鳩山首相は一ヶ月ルールを認識した上で官房長官に日程を調整するよう指示していたようですが、宮内庁に直接指示を行うはずの官房長官が一ヶ月ルールを全く知らなかったことが分かったのです(産経新聞は一行でそれを報ずるのみで、肝心なところに気づけていないようですが・涙)。
 官房長官としての適格性はない、と自分で証明したに等しく、あきれ果ててしまいます。おままごとをやっているわけではないのですから。

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  1. 2009/12/12(土) 20:11:16|
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