[密約] 中学生でも分かる密約問題(2/2)

 
            2.核持ち込みに関する密約

 沖縄返還の際に、佐藤栄作首相(当時)とニクソン米大統領(当時)との間で交わされた合意議事録のことです。

 その内容は次のようなものでした。

<As stated in our Joint Commu-nique, it is the intention of the United States Government to remove all the nuclear weapons from Okinawa by the time of actual reversion of the administrative rights to Japan and thereafter the Treaty of Mutual Cooperation and Security and its related arrangements will apply to Okinawa,as described in theJoint Communique.
  However, in order to discharge effecttively the international obligations assummed by the United States for the defense of countries in the far East including Japan, in time of great emergency the United States Government will require the reentry of nuclear weapons and transit rights in Okinawa with prior consultation with the Government of Japan.
  The United States Government would anticipate a favorable response.
  The United States Government also requires the standby retention and activation in time of great emergency of existing nuclear storage locations in Okinawa: Kadena, Naha, Henoko and Nike Hercules units.>



(要旨)

1.沖縄返還に際して、米国は沖縄からすべての核兵器を撤去する。

2.米国は極東諸国の防衛のための国際的責任を効果的に履行するため、米国は、重大な緊急事態にあたり、日本政府との事前の協議を経た上で、沖縄に、核兵器の再持ち込みと通過権(transit rights)が必要となる。

3.米国政府は、好意的な反応(favorable response)を期待するものである。

4.米国政府は、重大な緊急事態にあたり、現存する核兵器の保管場所(storage lovations)である沖縄(嘉手納・那覇・辺野古・Nike Hercules 基地)を、維持ないし活用することが必要である。

 この「密約」は、既に米国で公開済みの文書ですから、厳密には「密約」とまでは言えない性質のものかもしれません。ただ、日本政府は一貫して「密約」の存在を否定し続けてきたため、「密約」の解明は一つの政治課題とされています。

 なお、平成21年(2009年)12月22日に、佐藤栄作元首相の遺品から、同文書が発見されたそうです。

 核密約の問題を解明しても、米国では公開済みであることから、日米関係を悪化させる素材にはならない、と考えます。また、核密約が現在有効であると考えても、米国がわざわざ沖縄に核を再び持ち込むようなことは考えにくく(沖縄に持ち込んだところで意味がないからです。)、日米安保の在り方を左右することもないでしょう。

 しかし、核密約の解明は、日本の外交安保を再考するきっかけになるかもしれません。
 これまで日本が厳守してきたとされる「非核三原則」は、まったくの嘘っぱちで、「持ち込ませず」は実際は有事の際には「持ち込ませる」という例外つきだったことになります(しかも、佐藤栄作氏は、非核三原則の提唱などを理由にノーベル平和賞を受賞しています)。

 現状を維持して核持ち込みを容認し、事実上「非核三原則」の三つ目のテーゼである「持ち込ませず」を撤回するか、あるいは、それでも「非核三原則」を貫徹するのか、これは近い将来、私たち国民が選択しなければならないときがくる、と思います。

theme : 軍事・平和
genre : 政治・経済

tag : 核兵器 核持ち込み 密約 核密約 沖縄 民主党 日米安保 米国 ニクソン 佐藤栄作

[密約] 中学生でも分かる密約問題(1/2)

 
             クリスマスイブの今日ですが、私は、特に予定がなく(T▽T)、男友達と一緒にご飯を食べて終わりました。
 そうです、明日のクリスマスもきっとそうなるでしょう。男だけの汗臭い酒飲みになるに決まってます!(つ□<。*)

 クリスマスなんて、いいもん。キリスト教徒じゃないんだから、別に。フンッ!・・・でも、寂しいなあ、と正直に書きましたが、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか(笑)。

 この間、後輩から「密約」に関していろいろと尋ねられました。ハッキリ言って良く分からない、なんで「密約」と呼ばれているのかも分からないし、なんでこれを現政権が必死に暴こうとしているのかも理解できない、というのです。

 そもそも、「密約」問題といっても、日本における「密約」で、ホットなものにかぎって言えば以下の二つをあげることができるでしょう。。

1.沖縄密約(吉野文書)

 昭和47年(1972年)の沖縄返還に際して、日米両国が交わした密約とされ、その内容は米軍基地の原状回復費(米軍基地を収去する際に必要な費用のこと)である400万ドルおよび海外向け短波放送「Voice of America(アメリカの声。以下「VOA」)」の施設移転費である1600万ドルを、アメリカに代わって日本政府が肩代わりする、というものでした。

 なお、VOAとは、USIA(情報庁)が運営する「国営短波ラジオ放送局」のことです。

 しかし、この沖縄密約に関しては、当時この密約問題を追っていた毎日新聞の西山太吉記者(政治部)が、密約の存在を得るために、女性外務事務官に酒を飲ませた上、性的関係を結ぶなど、社会的に相当と認められない手段によって情報をつかみ、その情報を当時の社会党議員である横路孝弘氏(現在、民主党)らに漏洩した、いわゆる「西山記者事件」のほうが知られています(機密漏洩罪の教唆犯として有罪判決を受けました)。

 西山記者事件に注目が集まったことで、沖縄密約の問題は政府による密約の否定をもって一時下火になります。
 むしろ、西山記者が所属していた毎日新聞は、性交渉を通じた取材方法を行っていたこと、外務事務官という取材源の秘匿を守らない形で国会議員に情報をリークしてしまったことなどが、社会的に強い非難を受けました(毎日新聞社は経営危機に直面、この頃から毎日新聞と特定の宗教法人との付き合いも始まったと言われていますね。)。

 最近になって、元外務省アメリカ局長の吉野文六氏が密約の存在を証言しました。

(後日続けます。)

theme : 軍事・平和
genre : 政治・経済

tag : 沖縄密約 民主党 自民党 中国 密約 岡田克也 外務省 吉野文六 西山太吉

プロフィール

くるくる

管理者:くるくる
 主に政治ニュースを取り扱っています。メディア・リテラシーを身につけて客観的に物事を見つめる能力を養うことが目的です。
 コメントは遠慮なくお寄せください。

記事一覧
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近のコメント
最近のトラックバック
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>
リンクツリー

 
Twitter
ブログ内検索
管理人へメール
管理人へ私信を送りたい際にご利用ください。

名前(匿名可です。):
メール:
件名(任意):
本文:

カテゴリ
月別アーカイブ
タグクラウド
真言宗(#1)加藤紘一(#1)年頭所感(#1)核兵器(#1)普天間(#1)Buddhist(#1)佐藤栄作(#1)世論調査(#1)核持ち込み(#1)アダムスミス(#1)死刑存置(#1)幇助犯(#1)社会党(#1)歴史認識(#1)総裁選(#1)裁判権(#1)日比谷公園(#1)公務執行妨害罪(#1)MacBook(#1)ワーキングシェア(#1)高窪統(#1)平和(#1)小沢一郎(#25)パイレーツ・オブ・カリビアン(#1)日韓トンネル研究会(#1)指導(#1)官房長官(#2)慢性副鼻腔炎(#13)マードック(#1)正社員(#1)労働市場の流動化(#1)比例区(#1)シーシェパード(#1)衆議院(#1)iMac(#1)石原慎太郎(#1)日の丸(#1)象徴天皇制(#1)所得控除(#2)山崎拓(#3)急性副鼻腔炎(#13)イラク戦争(#2)FT(#1)沖縄(#2)体罰(#8)ワーク・シェアリング(#1)戦争(#1)中学(#1)議員定数不均衡(#1)高木八尺(#1)悪魔ちゃん(#1)厳罰化(#1)西沙諸島(#1)中川昭一(#1)外国人労働者(#1)ポツダム宣言(#1)川田龍平(#1)プラハ演説(#1)マルキスト(#1)振り込め詐欺(#1)平沼グループ(#1)無申告加算税(#1)給付(#1)東アジア共同体(#5)産経新聞(#1)消費税(#3)国家共同体(#1)萩本欽一(#1)政界再編(#1)博士の独り言(#1)生徒(#7)自由(#1)ソマリア(#1)同意(#1)玻南ちゃん(#1)韓国(#9)信仰(#1)海上自衛隊(#1)組合(#1)telegraph(#1)刑事責任(#1)学校(#1)所得税(#1)進歩党(#1)クジラ(#1)マクリーン事件(#1)ベーシックインカム(#1)タイ(#1)新党日本(#2)川上義博(#1)国連気候変動首脳会合(#1)多摩キャンパス(#1)検察審査会(#1)横路孝弘(#2)偽装献金(#3)西山太吉(#1)判例(#2)不法残留(#1)最高裁(#3)日本郵政(#1)起訴相当(#1)憲法改正(#4)失言(#2)開かれた政党(#1)日米安保(#2)長妻昭(#3)参院選(#2)Constitution(#1)夫婦別姓(#1)派遣村(#2)日本共産党(#3)自衛隊(#1)議長(#1)吉野文六(#1)ユーラシアグループ(#1)リスク(#1)國体ノ護持(#1)中曽根康弘(#1)検察(#2)グリーンピース(#1)麻生首相(#1)表現の自由(#1)関門海峡衝突事故(#1)チベット(#3)閣僚(#2)民団(#1)チベット仏教(#1)鳩山由紀夫(#50)アジア主義(#1)大阪府知事選(#1)国家(#1)ボートマッチ(#1)オバマ(#10)児童ポルノ(#2)李明博(#1)児童ポルノ禁止法(#1)新自由主義(#1)天皇(#16)国体明徴(#1)グローバリズム(#1)神社(#1)イラク(#1)倫理(#1)東アジア(#1)田中康夫(#2)高田晴行(#1)伴奏(#1)中西一清(#1)占領政策(#1)起訴議決(#1)仕分け人(#1)成年(#1)空知太神社(#1)ファシズム(#1)自由党(#1)沖縄密約(#1)民事責任(#1)人権(#3)捕鯨(#1)Wi-Fi(#1)安全保障(#1)阿久根市(#1)刑法(#1)コリアン(#1)規制緩和(#1)長島昭久(#1)毎日新聞(#3)ブッシュ(#1)教師(#2)宗教右翼(#1)岡田克也(#5)報道の自由(#1)アジア(#1)就任(#1)ニクソン(#1)政治(#1)一君萬民ノ政治(#1)自民党(#37)被害者の権利(#1)仙谷由人(#1)聖域なき構造改革(#1)民本主義(#1)平沼赳夫(#1)罪刑法定主義(#1)青山繁晴(#2)尾辻秀久(#1)構造改革(#1)差別(#2)SWINC(#1)非正規(#1)思想及び良心の自由(#1)国家戦略室(#2)上田清司(#1)頭痛(#13)野中広務(#1)尖閣諸島(#1)拉致(#2)バッテリー(#1)副鼻腔炎(#13)マスコミ(#36)国民新党(#4)南京大虐殺(#1)小泉純一郎(#4)おことば(#1)接続時間(#1)軍国主義(#2)民主党(#100)戸籍法(#1)府知事選(#1)刑事罰(#1)田付景一(#1)中国(#27)朝日新聞(#2)北朝鮮(#1)密約(#2)演説(#2)追徴課税(#1)国連(#2)核兵器なき世界(#1)衆院選(#2)平和的生存権(#1)モラル(#1)鼻水(#13)死刑廃止(#1)吉永みち子(#2)訴追(#1)大阪市(#6)毒入り餃子(#2)議員立法(#1)前文(#2)関門海峡(#1)平田健二(#1)ASEAN(#1)渡部恒三(#2)中央大学(#1)投票(#1)食の安全(#2)朝鮮総連(#1)国際(#1)年収要件(#1)大前研一(#1)橋下徹(#2)年金(#2)非正規雇用(#1)公明党(#7)イデオロギー(#2)ブログ(#1)福田康夫(#2)二分論(#1)行政罰(#1)日韓トンネル(#1)政教分離(#2)日本テレビ(#1)千葉景子(#3)死刑(#1)GHQ(#1)脱税(#1)社畜(#1)子ども手当(#2)肝炎(#1)安重根(#1)朝ズバッ!(#1)大法廷(#1)思いやり予算(#1)環境税(#1)不安神経症(#1)大阪(#2)NYT(#1)平野博文(#3)みんなの党(#4)北京五輪(#1)ノーベル平和賞(#1)暴力(#6)菅直人(#4)チャレンジド(#1)首班指名(#1)キリスト教(#2)緊張型頭痛(#7)改憲(#1)青木幹雄(#1)平松賢司(#1)高校(#6)胡錦涛(#1)後楽園キャンパス(#1)小泉構造改革(#2)保守(#2)リアリスト(#1)鼻(#13)外国人参政権(#22)事件(#1)宗教(#1)イスラエル(#1)朝鮮(#1)信教の自由(#1)わいせつ(#1)GHQ(#3)扶養控除(#2)命名権(#1)ネット(#1)厚生労働省(#2)不起訴不当(#1)天皇誕生日(#1)派遣(#1)宮内庁(#1)社民党(#4)米国(#10)内閣府(#1)平和主義(#3)住民訴訟(#1)前原誠司(#1)政治利用(#7)新党大地(#2)PRAM(#1)永住外国人地方参政権付与法案(#1)コンテナ船(#2)国民主権(#1)クラスター爆弾(#1)TBS(#2)平手(#1)Apple(#1)ピルグリム・ファーザーズ(#1)記者クラブ(#3)日米首脳会談(#1)国務省(#1)亀井静香(#3)Mac(#1)COP15(#1)農薬(#1)障碍者(#2)検察審査員(#1)自殺(#6)イスラム教(#2)日本維新の会(#1)単純所持(#1)生活(#1)法治国家(#1)参政権(#1)法規範(#1)政府(#1)配偶者控除(#2)winny(#1)海賊(#1)後鼻漏(#13)非正規社員(#1)外交(#1)ラジオ(#1)市橋達也(#1)民主主義(#1)裁判(#1)死刑廃止論(#1)竹原信一(#1)責任(#1)核密約(#1)核兵器のない世界(#1)日本国憲法(#5)憲法(#9)事業仕分け(#2)選挙権(#1)アフガニスタン(#1)生活保護(#2)鼻づまり(#13)フィナンシャル・タイムズ(#1)酒井法子(#1)司法(#1)片山虎之助(#1)外国人(#2)麻生太郎(#3)パキスタン(#1)特例会見(#1)ベトナム(#1)税金(#1)適正手続(#1)外国人管理職事件(#1)日本(#2)ロキソニン(#2)外務省(#4)財務省(#1)扇子(#1)地球温暖化(#2)南沙諸島(#1)裁判員(#1)田中均(#1)民法(#2)社会保険庁(#1)一票の格差(#1)報道(#1)カダフィ(#1)創価学会(#2)政治資金規正法(#1)読売新聞(#1)児童手当(#1)guardian(#1)ネブライザー(#3)増税(#2)重加算税(#1)改正(#1)仏教(#2)リベラル(#1)護憲(#1)日韓併合(#1)鯨(#1)法務大臣(#1)君が代(#2)即位20周年(#1)山本孝史(#1)9条(#3)75条(#1)護衛艦(#1)郵政民営化(#1)AirMac(#1)