〔民主党〕仕分け人に外国人を使ってもいいの?

 
            政権が事業仕分けに外国人を使うことの是非が問題になっている。

 官房長官は「問題ない」と記者に答えているし、ネット上でも「外国人が参加するだけで大騒ぎする必要はない」との反応が目立つ。中には「(外国人が参加できないとすることは)ナショナリズムだ」という指摘もあった。

 だが、この問題は、その程度の感覚的なものにとどまるものではない。

 どの国もそうであるように、公権力を外国人が行使することは許されない。そうでなければ、自衛隊の指揮を、中国人がおこなうことが許されることになってしまう。
 これは国民主権を標榜する国家であれば、(古臭い言葉を使うと)「当然の法理」である。

 依然、東京都の職員であった在日コリアンの女性が、東京都の管理職になるための試験を受験しようとした際に、東京都が受験を拒否したことが違法かどうかが問題になったことがあった。
 最高裁は、地方公務員であっても、外国人が管理職になれば、公権力を行使することになるので、管理職試験の受験を拒否したことは違法にならない、と判示した(関心のある方は「公権力行使等地方公務員」で検索してみてください。)

 このように、外国人が公権力を行使することが出来るかどうか、という問題は、治者の立場にとってきわめてセンシティブな問題なのである

 それに、公権力の行使が違法であった場合、それによって損害を受けた国民は、国に対して損害の賠償を求めることができることになるが、外国人が違法に日本国の公権力を行使した場合の責任を日本が負うことの不可解さも指摘しておきたい。

 ただ、事業仕分けが公権力の行使にあたるかといわれると、官房長官のいうように、あたらない、と考えるのが素直なのかな、と思う。だが、このようなことを、わざわざ外国人の意見を取り入れるだけではなく、国民に広く公開することまで必要だったのかどうかは、疑わしい。

 まるで人民裁判のようになっていることは言うまでもないが、事業仕分けの内実は財務省の権威に民主党が乗っかっただけのものであるし(まるで財務省は会社の株主総会のようだ。)、そもそも事業仕分けをやる前の段階から骨抜きの状態で、ほとんどやる意味がなくなっている(これについては、大きな問題なので、後日触れることにします。)。

 さらに、限られた時間、公開の場で高度な政治判断をすることもできないから、結局は国民へのパフォーマンスに終わってしまっている

 官僚という悪役に立ち向かう正義の味方「民主党・財務省連合」を見ることは、支持者にとっては心地よいものかもしれないが、わたしはほとんどその意義を感じない

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鳩山首相「聖域なき見直し」は小泉元首相の言葉

 
            事業仕分けに先立って、鳩山首相は「聖域なき見直し」という言葉を使っていた。

 これは、明らかに小泉元首相のパクリである。

 小泉政権時代に作られた以下のページを見ていただきたい。

 自民党ホームページ(クローズアップ あなたの生活こうなります)
 http://www.jimin.jp/jimin/closeup/2011/closeup.html

 その中に、<聖域なく見直しを行う 予算の編成>とある。

 鳩山首相が使った言葉とまるで同じである。
 また、実際の事業仕分けの過程でも、「事業を民営化すれば採算が取れる」旨を述べる民主党議員がいたのも気になった。

 こういうのを見ると、やっぱり鳩山内閣は小泉内閣とやっていることが似ているなあ、と感じるのは私だけだろうか。

 民主党政権は「小泉構造改革路線の否定」でここまで上り詰めたところがあるが、今のところ、やろうとしていることは小泉政権と同じだ。

 そこで、民主党政権が仮に違いを際立たせようとするならば、経済や雇用の分野で独自の政策を打ち出すことが必要になるだろう。

 しかし、長妻厚労相からは、雇用政策など具体的な提案が聞こえてはこない。もちろん一部週刊誌の報道によれば、官僚の悪質なボイコットによって、長妻大臣の負担が必要以上に重くなっているのは分かるが、独自の政策を提案するだけの準備があるのだろうか。
 長妻大臣は年金のエキスパートであることは間違いないようだが、一部報道では「その他の分野は素人」などという評するものもあるから、不安が募る(また、民主党は労組を支持母体とするので、新規雇用を創出するよりも、既にある雇用を守ることに比重が置かれた政策を出してきそうだ。)。 

 もっとも、野党に落ちた自民党がだらしないので、民主党政権を根底から揺れ動かす致命的な問題はまだ見あたらない(鳩山首相の巨額の資産報告漏れは"痛いレベル"に達してはいるが・・・)。

 しかし、日本とは不思議な国で、政権がやや反米に傾くと、なぜか政権に致命的な不祥事が見つかって、政権が倒れてしまうことが間々ある。
 鳩山内閣は物事を慎重に、かつ、したたかに進めていって欲しいものだ。

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小泉構造改革の敗北と克服

 
             学部生と話をしていると、最近はレポートで「小泉=竹中路線」を批判していれば単位をもらえる、などという話を聞きました。

 時代も変わったなあ。

 私が学生のときは(最近まで学生でしたけどね・笑)、もちろん自民党政権への批判は学者ウケすることが多かったようにおもいます。まあ、もちろん学者の役割は、政府の政策を追認することにはありませんから、それは当然といわれれば当然なのですが、しかし、評価の重点はむしろ「いかに日本が他国に比べて遅れているか」というところに置かれていたようにおもいます。

 だから、どちらかというと、小泉さんがやったような規制緩和路線のほうが当時の学者にはウケがよかったんですよね、私の頃は。つまり、なるべく国は国民の生活に干渉せず、国民の基本的自由に任せたほうがいい、というような論調ですね。

 私個人、小泉構造改革の支持者ではないけれど、ただ、近時の中身のない新自由主義批判もどうなんだろう、と思うことがあります。

 今の学生たちが、平然と「コイズミの規制緩和路線や新自由主義路線が悪かった。だから格差が拡大した」と誇らしげに言うのは結構ですが、よく聞いてみると、「非正規雇用を全員正社員にすれば、給料も高くなるし、安定的な地位を得ることができる」と信じるいっぽうで、「正社員の年功序列や終身雇用」を「古臭い」と考えているようですし、大企業に対して「法人税をもっと上げるべきだ」といって北欧諸国の例を挙げるものの、解雇規制の厳しい我が国の雇用システムを改変し、労働力の流動性を高めることには反対のようです。

 果たして、このような認識でいいのでしょうか…ブレーキとアクセルを両方ふかしているような、そんな印象を受けるのですが。

 小泉元首相が先日、谷垣自民党総裁に「小泉構造改革を引き継いでいるのは民主党だ」と述べたそうです。
 この学生たちに小泉さんの発言の意図を読み解く能力はないのでしょう。

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「日本が拉致問題に言及すると東アジアの平和が遠のく」(元外務省出身者)

 
            「日本が拉致問題に言及すると東アジアの平和が遠のく」(元外務省出身者)

 憲法講演:広島平和研究所長・浅井さん「9条は21世紀の道しるべ」 /福岡
 http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20090929ddlk40040366000c.html

 広島市立大広島平和研究所所長、浅井基文さん(68)の講演「いま憲法を考える-東アジアの平和を求めて」がこのほど、小倉北区古船場町の商工貿易会館であった。[…]
 浅井さんは外務省に25年間勤務。[…]「憲法9条の思想こそが21世紀の道しるべになる」と力説した。
 また、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記は自身の身を守るために核実験などの政策に走っていると指摘。日本も拉致問題を声高に言うだけで6カ国協議を停止させており、東アジアの平和と非核化が進展しない原因を作り出しているとした

 この人が言うには、日本が北朝鮮に対して拉致問題の解決を訴えていることが<東アジアの平和>に繋がらないらしい。

 しかも赤字で強調したが、このかたはなんと<外務省>出身者というではないか。

 毎日新聞は実に無批判な態度で報道をしているが(ところで、この外務省出身の浅井さんは、「毎日と朝日は他の全国紙に比べ公正性、中立性が高い」などと毎日新聞紙上で同紙をベタ褒めしたことがある。)、国民の多くは「あんたみたいな人が外務省にいたから、拉致問題は何十年も放置されたのだ」と怒っておられることだろう。

 以前、ジャーナリスト(?)の田原総一朗さんが拉致被害者の有本恵子さん、横田めぐみさんについて、テレビ朝日の番組内で<外務省も生きていないことはわかっている>などと発言し、物議を醸したが、上の記事を読んで、なるほど田原氏はある意味では真実を述べたのかも知れないなあ、と思った。

 これは別に田原さんを擁護しようというわけではない。
 わたし個人は拉致被害者はまだ生きていると信じているし、日本政府が「(拉致被害者が)生きていることを前提に」拉致問題を国際社会に訴えていくことは外交上当然のことだ。(「生きていない」との発言は、真偽は別としても、現状において、日本を咎[とが]める意味しか持たない。)

 だが、上の外務省出身者のように、拉致問題を日本政府が言うから、東アジアが安定しないのだ、つまりは、乱暴な言い方をすれば、日本は拉致問題の解決を北朝鮮に要求するな、などと言う人間が外務省にまだいるとすれば、田原氏に対して<生きていない>と言う外務官僚がいてもおかしくないだろう。

 お忘れのかたがいるかもしれないが、もう既に何件か、拉致問題の解決を妨害するかのような外務省のサボタージュの事実が明らかになっている。

 たとえば、当時外務省北東アジア課長で、拉致問題をはじめとする朝鮮半島外交を担当していた平松賢司氏は、拉致問題に関する国連への報告をたった数行で、しかも当時(2003年)は北朝鮮側から提供された「遺骨」が拉致被害者のものではないことが発覚した時期だったのにもかかわらず、<失踪者の行方についての新たな情報はなく、現時点で追加的な情報を提供することは困難だ>などと手を抜いた内容で済ませていたことが分かっている。
(当時、拉致議連は平松氏の更迭を求めていたが、平松氏は<事務的連絡ミス>だとこれを釈明した。)
 その平松氏は、その後、米ハーバード大客員研究員へ出向した。

 また、これも平成15(2003)年の話だが、外務省の田中均審議官(当時)が、日米首脳会談で北朝鮮に対する圧力行使が論議されることに反対して、報道発表から<圧力>との文言を削除するよう、小泉首相(当時)に<北朝鮮を刺激してはいけません>などと働きかけを行っていたことが分かっている。(ちなみに、これは現在埼玉県知事で、当時民主党議員だった上田清司氏の追及で発覚。)
 

tag : 民主党 外務省 拉致 平松賢司 田中均 上田清司 小泉純一郎

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