[憲法] 鳩山首相「憲法改正」を主張

 
           

<鳩山由紀夫首相は26日午後、民放のラジオ番組収録で「地方と国の在り方を逆転させる地域主権(実現)という意味での憲法改正をやりたい」と述べ、民主党政権での改憲に意欲を表明した。自民党との協議にも前向きな姿勢を明らかにしたが、憲法9条改正には慎重な考えを示した。民主党は先の衆院選マニフェスト(政権公約)で憲法改正に取り組むとは明記していない。〔・・・〕
 首相は改憲論議に関し「必ずしも9条の話ではない」と指摘。「できる限りベストな国の在り方のための憲法をつくりたい」と訴えた。

 安倍政権以来、「憲法改正」を真っ正面から主張した総理大臣はいませんでした。
 その中で、鳩山首相が「憲法改正」を主張したことは、その改正の内容はともかくとして、一応の評価に値する、といえるでしょう。

 鳩山首相は、改憲派として知られています。

 『新憲法試案ー尊厳ある日本を創る』(鳩山由紀夫著、PHP研究所、平成17年)

 鳩山首相は、9条の改正について慎重な姿勢を示しましたが、もともと鳩山首相の改憲案は「9条2項」を全面的に改正することをその内容とするもので、首相は海外派遣の原理原則を憲法に定めるべきとの立場です。

 ー ー ー

 憲法改正するのであれば、やはり9条には手を付けるべきでしょう。

 私は前に述べたように、自衛隊は「憲法9条に違反する組織」だと感じています。

 「統治行為論」(高度の政治性ある事柄には司法審査が及ばなくなること)で逃げ続けてきた司法、自衛隊に有名無実化したシビリアン・コントロールが及んでいると勘違いし、これで良いと思っている国会議員、「軍隊」だと感じながらもそれには口を噤んできた国民によってこれまで支えられてきましたが、このまま違憲状態を継続することが果たして妥当なのでしょうか。

 であれば、国民は選択しなければなりません。

A 自衛隊は憲法9条に違反する組織として廃止するのか
B 自衛隊を存続させるため、真のシビリアン・コントロールを及ぼすために、憲法を改正するのか

 かつての社民党のように、「自衛隊は憲法9条に違反しません」との意見は、もうやめにしましょう。

 鳩山首相は、憲法9条を堅守した状態での限定的な憲法改正をお望みのようですが、自分に正直にあるべきでしょう。「憲法9条を含めた改正議論をすることが必要だ」と、その口で言うべきでしょう。
 憲法9条の改正の必要性を鳩山首相は知っているはずですし、そうしなければならないとの決意もあるはずです。
 

theme : 鳩山由紀夫
genre : 政治・経済

tag : 民主党 鳩山由紀夫 憲法改正 改憲 護憲 憲法 9条

全閣僚の政治スタンス2(憲法・消費税・外国人参政権・自衛隊)

 
           

前回のつづき ー 鳩山内閣全閣僚の政治スタンス一覧2

 「ドラゴンクエストシリーズ」の作曲家として知られる、すぎやまこういち氏いわく、新内閣は「判ら内閣(=判らない+内閣)」なんだとか。

 なるほど、たしかに、これまでテレビメディアではさほど取り上げられてこなかった民主党議員もいらっしゃるから、一般国民からしてみれば、今回の閣僚人事は「だれこの人」という印象が強いのかも知れない。

 以下のデータが、新内閣の閣僚の政治スタンスを知る上で、なにかの役に立てることができれば幸いです。

 赤松広隆(61)前原誠司(47)小沢鋭仁(55)平野博文(60)中井洽(67)亀井静香(72)仙谷由人(63)
選挙区愛知5京都2山梨1大阪11三重1広島6徳島1
憲法9条(憲法)改正×(×)○(○)△(○)○(○)×(△)△(-)○(○)
集団的自衛権を認めるための解釈改憲××××
日本の核武装××××××
永住外国人地方参政権
国会議員の世襲制限
議員定数削減○(比例)○(比例)○(比・小)○(比)○(比・小)○(比・小)○(比)
団体献金禁止×
郵政民営化は成功?×××××××
4年内の消費税増税×××××××
環境税導入×
製造業への派遣×××××
アフガニスタンへの自衛隊派遣×××××
北朝鮮への圧力路線×(対話重視)×(対話重視)×(対話重視)
備考

農水大臣

運輸労連顧問

元社会党書記長

国土交通大臣

環境大臣

官房長官

電機連合顧問

国家公安委員長

金融・郵政問題

行政刷新

・ 外国人参政権について、反対派の民主党議員が一人も入閣しなかった

・ 各グループに配慮して割り振った、自民党風に言えば「論功行賞」的な性質を否めない閣僚人事であったにもかかわらず、野田グループは一人も入閣しなかった

・ 閣僚に選ばれた者が、必ずしもその道のエキスパートというわけではない。たとえば、前農水大臣の石破茂氏が、農水大臣の赤松氏について、これまでさほど農水行政に関心の無かった議員と評したように、私もこの人選には首をひねらざるを得ない。

 くわえて、法務大臣に選ばれた千葉景子氏に至っては、本来は死刑執行の責任者ともいうべき立場であるにもかかわらず、死刑廃止論者として知られる人物だ。

 その意味では、果たして適材適所とはお世辞にも言えない

・ だが、「脱官僚内閣」を掲げる新内閣だけあって、行政刷新担当に仙谷氏、厚生労働大臣に「ミスター年金」こと長妻氏があてられた意義は大きい。彼らにとって、これからの実績作りは決して簡単なものではないが、彼らには大いに期待していいのではないか。

 

 みなさまは、今回の閣僚人事について、どのような印象をお持ちになったでしょうか。

 次回更新は9/20予定。

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tag : 民主党 閣僚 憲法改正 外国人参政権

全閣僚の政治的スタンス(憲法・消費税・外国人参政権・自衛隊)

 
           

 閣僚人事が発表された。今日から数回にかけて、閣僚の政治スタンスについて、まとめておきたいと思う。

 続きは明日の夜に掲載します。

 鳩山由紀夫(62)菅直人(62)原口一博(50)岡田克也(56)川端達夫(64)長妻昭(49)
選挙区北海道9東京18佐賀1三重3滋賀1東京7
憲法9条(憲法)改正△(○)△(△)△(×)○(○)×(○)×(○)
集団的自衛権を認めるための解釈改憲×××××
日本の核武装××××××
永住外国人地方参政権
国会議員の世襲制限
議員定数削減○(比例削減)○(比例削減)○(比例・小選挙区)○(比例)○(比例)○(比例)
団体献金禁止
郵政民営化は成功?×××××
4年内の消費税増税××××××
環境税導入
製造業への派遣××××××
アフガニスタンへの自衛隊派遣×××
北朝鮮への圧力路線
備考総理大臣

副総理

元厚生大臣

総務大臣外務大臣

文部大臣

東レ労組

厚生労働大臣

元雑誌記者

(今回の組閣のポイント)

・ 憲法改正をめぐっては意見の一致を見ていない憲法ないし9条の改正賛成に明確な態度を示している者は、前原氏と仙谷氏のみである。

・ 外国人参政権付与に反対する議員が一人も入閣しなかった。(賛成の姿勢を明確にしていない長妻氏や平野氏も反対の立場を明確にしたわけではない。朝日新聞の調査に対して「どちらともいえない」と回答しただけである。)

・ 衆議院議員の定数削減、消費税、環境税導入、製造業への労働者派遣に関しては、ほぼ全員の意見が一致している。一部の大企業の労組出身の閣僚のみ、製造業への労働者派遣に関して、明確に反対としていない。

・ アフガニスタンへの自衛隊派遣に消極的な議員が多い。

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政党データ:(1)憲法改正の是非

 
            ひとえに民主党といっても、右から左まで様々な政治スタンスを持った議員がいる、と言われている。しかし、実際には「右」「左」の区別は相対的なものに過ぎない。
 「右」だと言われている人でも憲法改正に反対している人はいるし、「左」だと言われている人でも労働者派遣法の規制緩和について肯定する人もいる。

 最近の日本の世論を見ていると、まるで米国のブッシュ政権がそうだったように、「AかBか」という二分論的な思考に執着しているようにおもわれる。
 もちろん、「AかBか」と問われたほうが、有権者にとっては理解しやすいし、選びやすい。だから、「改革なくして成長なし」「聖域なき構造改革」などのワンフレーズ・ポリティクスを好んで使った小泉元首相は、選挙期間中に「郵政民営化に賛成か反対か」「自民党か抵抗勢力か」の二者択一を有権者に迫ることで、巧みに有権者のハートを掴むことに成功しのである。・・・皮肉にも、自民党は、まるで小泉戦略にヒントを得たかのように「政権交代か政権継続か」の二者択一を迫った民主党によって、そっくりそのまま議席をひっくり返されたわけだが・・・。

 しかし、このような二分論的な物の見方は本来は好ましくはない。
 イラク戦争の前に、ブッシュ大統領が「テロリストの側につくのか、正義の側につくのか」と迫ったことで、人に寛容さや柔軟さを失わせ、米国はマスメディアを含めて一気にイラク戦争へと突入していったことを今一度よく思い返すべきだ(当初からイラク戦争反対を主張し続けた現実主義者らの声に耳を傾けた人は少なかった。)。

 すなわち、各政党が右だの左だのとレッテル貼りする前に、フェアな視点で、政党の中身をもっと精査して、各政策に関する党内のパワーバランスを知っておく必要がある。

 そこで、ここでは先の衆院選で当選者の政治スタンスはどのようなものだったのかをご紹介したい。
 今日は政治スタンスがハッキリと分かれやすい「憲法改正の是非」について、取り上げる(当選者数と人数が合わないのは、アンケートに協力していない人がいるからです。)。

(1)憲法改正の是非

民主党>当選者308人
 賛成 125人
 反対 62人
 保留 86人

<社民党>7人
 賛成 0人
 反対 7人
 保留 0人

<国民新党>3人
 賛成 2人
 反対 0人
 保留 0人

自民党>119人
 賛成 105人
 反対 2人
 保留 3人 
*なお明確に「反対」と答えた人は0人。
 「どちらかといえば反対」と答えたのが、古賀誠氏、竹本直一氏の2人のみ。

公明党>21人
 賛成 14人
 反対 2人
 保留 3人

<みんなの党>5人
 賛成 2人
 反対 0人
 保留 1人

<新党大地>1人
 賛成 1人
 反対 0人
 保留 0人

<新党日本>1人
 賛成 0人
 反対 1人
 保留 0人

<日本共産党>9人
 賛成 0人
 反対 8人
 保留 0人

<無所属・諸派>6人
 賛成 5人
 反対 0人
 保留 1人

*******

 これを見て分かるのは、態度を保留している当選者の多い民主党を除く各政党は、憲法改正の是非についておおむねコンセンサスを築いている、ということだ。
 やや公明党が内部で考えの一致を見出していないように見うるが、憲法改正の是非についてバラツキの大きい民主党に比べれば、さほど大きいものではないだろう。

 全体として総合すれば、先の衆院選後の衆議院議員の多数が憲法改正の必要性は認めている、ということがいえる。ただし、質問を「9条を改正することの是非」とすれば、また違った結果が得られたかもしれないので、改正も中身次第、といったところか。

 しかしなによりも驚いたのは、自民党内に憲法改正に反対する議員がいる、ということだ。憲法改正は自民党の結党目的だったはずだが、結党目的に反対している人がなぜ自民党にいるのか、不思議でならない。

 近日中に「消費税引き上げの是非」について、当選者の考え方をまとめてみたいと思う。

* データについて
 データは朝日新聞と東京大学が共同して全候補者を対象に行った調査をもとに、「賛成」および「どちらかといえば賛成」を「賛成」として、「反対」および「どちらかといえば反対」を「反対」としてカウントの対象とした。「どちらともいえない」は「保留」と取り扱った。
 同調査に回答をしていない当選者の数はデータに反映していない。

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tag : 自民党 民主党 公明党 憲法改正 9条 消費税 イラク戦争 ブッシュ 二分論

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