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Il testimone...

人生朝露の如し 一日を大切に記していきます

[新聞]天皇の政治利用を報じる毎日新聞の記事を見て

 昨日の時点で天皇陛下と習近平国家副主席の会見は既に決まっていたのですね。
 

<中国外務省は11日深夜、来週訪日する習近平国家副主席と天皇陛下との会見が決まったことについて、「日本側の日程調整に感謝する」との談話を発表した。>

 この件に関して、今日の新聞各紙が「天皇陛下の政治利用」の問題として取り上げています。とりわけ問題となるのは、憲法に定められた「天皇の国事行為の在り方」です。
 

<政府の対応について百地章・日本大法学部教授(憲法学)は「政府は天皇陛下の政治的中立性、公平性を守るべきだ。1カ月ルールを破るという強引な決め方そのものに、陛下を政治的に利用した印象が否めない。中国だけ認めたのは悪い先例になり、ルールが崩壊する危険性もある。二度とこんなことがあってはならない」と厳しく批判した。
 一方で横田耕一・流通経済大教授(憲法学)は「強い政治性を持つ行為に天皇を利用することは望ましくない」としながら、今回は「宮内庁の考え方が前面に出すぎているのでは」と指摘する。「最終的な決定権は内閣にある。1カ月ルールは内規だから、内閣は尊重しなければいけないが、縛られることはない。宮内庁に振り回されるのはおかしい」と述べた。>

 毎日新聞はお二人の憲法学者のコメントを掲載しています。たいてい、新聞社は自社に近いスタンスの人を後に掲載することが多いので、毎日新聞のスタンスは比較的後者の横田教授の考えに近いのではないか、と推測します。
 なお、前者の百地教授は、憲法学界では珍しい保守系の学者として知られています。一方、後者の横田教授は、天皇の憲法的継続性を否定する「断絶説」(日本国憲法が制定された後の天皇とそれまでの天皇には連続性がないとする見解)に立たれるお方です。
 もう少し、具体的な解説をしておきますが、後者の横田教授の採用される「断絶説」の立場は、戦前の天皇と戦後の現行憲法秩序における天皇との連続性を否認しますから、やや乱暴な言い方ですが、「天皇制に伝統はない」という立場に結びつきやすくなります。現に、この横田教授は、「皇室典範に関する有識者会議第六回」において、次のように発言しておられます。同教授の天皇制に関するスタンスが色濃く象徴される言葉です。

<伝統、いわゆる皇室の伝統とか、そういったものをどう評価するかという事柄に関わってくるわけでございます。そこで、「断絶説」を採りました場合には、伝統というものは基本的に考慮する必要はない。〔…〕むしろ伝統というものは否定すべきものだというようにもなるわけでございます>

 しかし、新聞の読者はこのようなことを知りません。

 ですから、上記記事を見て、百地教授と横田教授の言っているそれぞれの背景を知らないままに、「憲法はこうなっているのか」と誤信するんだ、と思います。

 しかし、ここでお示ししたように、大学の教授といえども、学界で一致した見解をそこに示しているわけではなく、個人的な、場合によっては、誰からも支持されていないようなことも言うわけです。
 新聞を読む際には、学者の意見だからそのまま信じてしまう、のではなく、「この学者の言っていることって違うんじゃないか」と疑ってみるのも大切なことです。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/12/12(土) 19:55:02|
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麻生前首相の失言・放言>鳩山首相の失言・放言=あたりまえ

毎日新聞
 サンデー時評:「ヒトラー呼ばわり」をめぐって 

 前任者の麻生太郎さんにくらべると、鳩山由紀夫首相は失言、放言がほとんどない。麻生さんが多すぎたからでもあるが、鳩山さんは国会答弁などを割合器用にこなしている。

 たしかに、麻生前首相は、失言ないし放言が多かったような印象があります。

 愛知県などを襲った豪雨災害について・・・
 <これが安城、もしくは岡崎だったからいいけど、この名古屋で同じことが起きたら・・・
→「岡崎だったからいいけど」との発言が失言とみなされた。

 豪雨被害を受けた兵庫県佐用町で・・・
 <引き続き捜索にあたっている方々が努力しておられると思うが、ぜひ遺体が見つかるように今後とも努力をしていただきたい
→「ぜひ遺体が見つかるように」との発言が生存を期待しているご家族の気持ちを踏みにじるものとして失言とされた。

 JCで講演中に・・・
 <元気な高齢者をいかに使うか、この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がないと思って下さい。
→「元気な高齢者を」「働くことしか才能がない」ものとする点が、高齢者を愚弄するものとして失言とされた。

 記者会見で・・・
 <(医師は)社会的常識がかなり欠落している
→同発言が医師に対する偏見を助長するとして、失言とみなされた。

 これ以外にも失言はあったのかもしれませんが、多くの国民は「麻生首相の失言」と聞いたら、間違いなく「漢字の読み違え」と答えることでしょう。

 毎日新聞の上記記事では、これら麻生前首相と比べて<鳩山由紀夫首相は失言、放言がほとんどない>としています。
 たしかに、鳩山首相の失言と言われて思い浮かぶものはあまりありませんが、私は以下の発言は失言だと感じています。

 <恵まれた家庭に育ったものだから、自分自身の資産管理が極めてずさんだったことを申し訳なく思う。
→もし麻生前首相が発言したものだとすれば、いっせいに各社取り上げたであろう失言だったとおもいますが、この発言は一部のメディアで取り上げられただけで、ほとんど取り上げられる機会はありませんでした。

 <「あなた方に言われたくない」
自民党の谷垣総裁が財政再建問題に触れた際に、鳩山首相がした発言です。
 小学生ではないのですから、「おまえらが悪いんだから、落とし前もおまえらが付けろ」というのはどうかと思います。
 もちろん自民党に責任がないとは言えませんが、これから我が国の政治を動かすのは鳩山首相なのであって、その責任を放棄するかのような発言は、失言とみなされるべきでしょう。
 しかし、この発言もマスコミでは「自民党は返り討ちにあってしまった」などと、むしろ好意的に報じていました。

 <オバマ米大統領は日米合意が前提と思いたいだろうが、それが前提なら作業グループをつくる必要はない。
→私はこれが失言だと感じていますが、この発言じたい、あまり大きく取り上げられていないだけでなく、失言との認識を持つ人も多くはありません。

〔注〕鳩山首相は、日米合意が自民党政権の下でなされたものであるとして、政権交代を理由に、日米合意を当然の前提とはしない、と主張しています。仮に、これが国際慣習法上当然のものなのだとすれば、同じように政権交代によって誕生したオバマ大統領は、過去の日米間の合意をすべて反故にして良いことになります。
 このような認識は、戦前ならばまだ成り立つかもしれません。でも、鳩山首相のような「政権交代したら国家間の合意も無に帰す」との考え方が広まれば、世界中で戦争が起きてしまいます。鳩山首相は認識を改めるべきではないでしょうか。

 ただ、鳩山首相の失言や放言が麻生前首相よりも少ないのは、「当然」のことです。記事にして、いちいち指摘するようなことではありません。
 鳩山首相は、まだ在任期間が1ヶ月半です。
 在任期間が少ないのだから、発言の機会もそれだけ少ないのです。

 前首相は比較の対象としては不適格というべきでしょう。

テーマ:マスコミ - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/11/28(土) 16:36:00|
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もう戦争を思想で語るのはやめないか - イスラエルによる攻撃の前に沈黙する人たち

毎日新聞
 <社説:ガザ地上侵攻 米国はイスラエルを止めよ>
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090107k0000m070136000c.html

 これは自衛のためだと言って殴り続ける。血まみれになった相手が抵抗したと言っては、また馬乗りになって殴る。しまいには、こぶしだけでなくバットやゴルフクラブでも殴り始める。通行人は見守るだけ。警察官は「自衛のためだから仕方がない」と澄ましている−−。
 空爆に加え地上作戦が始まったガザ(パレスチナ自治区)で起きているのは、そんな出来事ではないか。国連も含めてイスラエルの軍事行動をすぐに止められる国や機関はありそうにない。時に世界の警察官役が期待される米国も、「イスラエルは自国を守る決断をした」(ブッシュ大統領)と同盟国を擁護する。

 毎日新聞の社説を読んで思ったのは,毎日新聞も<イスラエルの軍事行動>に反対してはいますが,結局イデオロギーでしか戦争を語れていない,ということです。

 しかも毎日新聞の社説が「オバマ」を一言も触れていないのには驚きです。「初の黒人(アフリカ系)大統領」に対して,批判することが人種差別にあたるとでも思っているのでしょうか(汗)。
 金のための戦争を好んでしてきたブッシュ大統領に対して,米国の民主党はイデオロギーで戦争に関与してしまう恐ろしさがあります(米国の民主党が平和政党だと信じている日本人が多すぎます・涙)。

 AFP通信。
 <イスラエル国防相が攻撃を正当化、オバマ氏のコメントも引き合いに>
 http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2553128/3639910

 同国防相はバラク・オバマ(Barack Obama)米次期大統領が2008年6月に、日常的にハマスの標的となっているイスラエル南部スデロト(Sderot)を訪問した際のオバマ氏の言葉を引用した。国防相によるとオバマ氏は、「2人の娘たちが眠っている間にわたしの家に向かって誰かがロケット弾を発射するとしたら、わたしはどんなことをしても彼を止めるだろう。イスラエルの人たちも同じことをすると思う」と語ったという。引用後、バラク国防相は「オバマ氏はこう述べた。わたしたちがやっていることはこれと同じことだ」と述べた。

 このAFP通信の報道を,日本のマスメディアはどこも表立って報じていません。(もし見つけたらおしえてくださいね。)

 私のブログでもかつて取り扱ったことがありますが,オバマ氏は親イスラエル団体との蜜月が伝えられており,大統領選挙中も何度もオバマ氏はイスラエル関係者と会談しています。
 そういった情報を総合的に考慮すれば,オバマ氏の発言がイスラエルによって攻撃の正当化根拠に使われたことも納得できますし,また,以下のオバマ氏の対応も,イスラエル側は攻撃前から既に予測していたでしょう。

 朝日新聞。
 <ブッシュ大統領、ハマスを批判 オバマ氏論評せず>
 http://www.asahi.com/international/update/0106/TKY200901060140.html

ワシントン入りしたオバマ次期大統領も記者団からガザ情勢についての見解をただされたが、「外交に関する限り、現職の大統領は常に1人だけという原則を順守するのが大切だ」と述べ、就任前の論評を控える姿勢を示した。

 これは単に口実に過ぎないでしょう。少なくとも米国国外ではそう見られています。
 しかも恐ろしいのは,Al Qaeda(アルカイーダ)のザワヒリがオバマ氏の対応の「怪しさ」に気づき始めている,ということです。

 日刊スポーツ。
 <「オバマがガザ住民を殺している」>
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20090107-447684.html

 国際テロ組織アルカイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者は6日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ侵攻について「米大統領就任前のオバマからパレスチナ住民への贈り物」「オバマがあなた方の兄弟であるガザ住民を殺している」などと批判する音声声明をウェブサイト上に発表した。
 イスラエル軍のガザ侵攻について、同容疑者をはじめアルカイダ系組織が声明を発表するのは初めて。また今回の声明は、テロ対策などブッシュ現政権の対外強硬政策を転換するとして、オバマ次期政権を歓迎する声も出ているアラブ、イスラム世界に対し警戒を呼び掛け、明確な対決のメッセージを示した。

 ー ー ー
 少し話は変わりますが,日本国内で平和主義者を自称していた人たちがイスラエル軍の攻撃について沈黙を続けているのはどういうわけなのでしょうか。

 イスラエル軍がクラスター爆弾を使用したとの情報も流れています(他にもウィリーピートを使用した可能性があります)。

 クラスター爆弾廃止条約締結を,小躍りするように喜んだ「平和主義者」らはなぜ抗議しないのでしょう?それこそ憲法9条の精神を,世界に広めるための絶好の機会じゃないですか?

 結局,彼らもまた,廃止条約をイデオロジカルな視点から賛成していただけなのでしょう。
 そもそもクラスター爆弾を初めから「非人道的兵器」と呼んでいる時点で,イデオロジカルなものでいっぱいなのですが(笑)。

 イデオロギーで物を語る場合,欠落するのは現実です。

 私は前から申し上げていることではありますが,例えば,「核」を廃絶したとしても,核兵器を作る知識・経験・技術は必ず残存します。つまり,核廃絶後も核存置前と変わらぬ脅威がそこに存在してしまうわけです。
 世界が核廃絶したとしても,もしかするとテロリストが核兵器を生産する技術を手に入れるかもしれません。そのときの国際秩序は誰が護るのでしょう。

 だから,イデオロギーで脳を束縛された彼らは,国内のこういった動きに無頓着であり続けます。

 讀賣新聞。
 <クラスター爆弾に代わる精密誘導弾に66億円>
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081220-OYT1T00559.htm

 政府は20日、自衛隊が保有するクラスター(集束)爆弾に代わる精密誘導弾の整備費について、2008年度第2次補正予算案に約60億円、09年度予算の財務省原案に約6億円をそれぞれ計上した。
 クラスター爆弾禁止条約に同意したことに伴う措置。

 イラク戦争のときは,すすんで人間の盾としてイラクへ向かっていたかたがたは何をしているのでしょうねえ・・・(ため息)
  1. 2009/01/07(水) 15:00:00|
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