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Il testimone...

人生朝露の如し 一日を大切に記していきます

弱者救済が不公平な一語に転化するとき - 派遣村に関する一連の行政の対応に関して

 <「住まいを」「働きたい」…派遣村から再出発への一歩>
 http://www.asahi.com/special/08016/TKY200901090306.html

 みなさんは「派遣村」というものをご存じでしょうか。
 ネット上では「派遣村」に関して賛否両論あるように思われますが,私個人としては基本的に支持してきました。
 もちろん一部で言われているように,「派遣村」の中には「派遣切り」の対象ではない人も含まれているようではありますが,一つのパフォーマンスとしては有効適切なものであって,問題はないと思っていました(一部行きすぎの点はありますが)。

 しかし私はこの朝日新聞の記事を見て,目を疑ったのです。
 

■250人に生活保護
 「派遣村」を出た元派遣労働者ら約250人に対し、東京都千代田区や練馬区などは9日までに、生活保護費の支給を決めた。

 「やけに支給決定が早いなあ」と思っていますと,次のような一文に目が留まります。

 通常は申請から決定まで2週間程度かかるが、千代田区は資産や親族の調査などは後回しにして支給を急いだという。

 いったいぜんたいどういった理由なのか,といいますと,朝日新聞は次のように報ずるのです。

 一斉に支給を決めた理由について、厚生労働省社会・援護局は「特定地域で大量の人がほぼ同時に保護申請したことや、入居施設の使用期限があるなど特別な事情があったため、集中的かつ優先的に支給した」と説明している。

  <特定地域で大量の人がほぼ同時に保護申請したことや、入居施設の使用期限があるなど特別な事情があった>??
 これは問題ではないでしょうか。
 生活保護を受けたいと望む者が一定の地域に押しかけ,集団的に保護申請すれば認められやすくなる,という前例を作ってしまったに外なりません。
 
 麻生政権下では,法治国家とは思えないことがまかり通っているように思われます。

 定額給付金だってそうです。法律の根拠があるわけではないのに,高額所得者に「遠慮」を求めている。法治国家ではあり得ないことです。

 恐ろしいのは,マスメディアがこの異常さに気づいていないということです。
 上の朝日新聞もそうです。千代田区の生活保護に関して,朝日新聞は無批判にこれを書いていますが,記者らは<特定地域で大量の人がほぼ同時に保護申請したことや、入居施設の使用期限があるなど特別な事情があった>ことにまず疑問を感ずべきでしょう。

 * * *

 結局,朝日新聞がここまで無批判に報ずるのは,派遣切り,貧困や格差といった問題をイデオロギーの問題として捉えているから,だと言えます。

 しかしこういうときだからこそ,われわれはイデオロギーを排して,冷静に事態を見つめなければなりません。

 もちろん「派遣村」に対して「かわいそうな人たちが集まっている」とセンセーショナルに捉えることが間違っているとは言いません。

 しかし先日,お正月に会った90歳を過ぎた祖父が言っていました。
 「働きたい人は職安に行ったらいいのに,なんで行かないのかね?」「なんでここにいる人は(カメラに)顔を出さないのかね?」。

 イデオロジカルなものを排して冷静に考えてみれば,昨日まで働いていた人たちが今日は生活保護を受け取っていることのおかしさに,そして,その背景にそういう人たちを「利用」しようとするイデオローグ(イデオロギーに凝り固まった人のこと)の存在に気づけるハズです。

 私たちは今一度,派遣切り,貧困,格差といった問題をイデオロギーの問題として捉えるのではなく,右派も左派も関係なく,一人の国民として問題解消のための知恵を絞るべきだと感じました。
 
  1. 2009/01/10(土) 12:54:51|
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