FC2ブログ

Il testimone...

人生朝露の如し 一日を大切に記していきます

[憲法] 天皇を訴えて金員を支払わせることができるか

 先日、私は、ブログの中で「天皇陛下が超法規的地位にある」とするのは間違いであるが、天皇陛下に裁判権が及ばないという点では超法規的と言えないわけではない、と書きました。

 この点に関して、「そんなことどこに書いてあるんじゃ、ボケェ!」というメールをいただいたのですが、たしかに、憲法にはそのような規定はありません。

 せっかく興味をもってくださったのですから、ここに簡単にその根拠を示しておきたい、と思います。

 昭和63年(1988年)9月23日、当時の千葉県知事は、昭和天皇のご病気快癒を念願して県民記帳所を設置しました。
 その記帳所の設置にあたっては、千葉県の公金が支出されたのですが、千葉県のある住民が、この公金の支出は違法だ、と主張し、公金の支出の結果、昭和天皇は不当の利益を得たなどとして、昭和天皇の地位を相続された今上陛下に対して、不当利得返還請求権を行使しました(住民訴訟)。

 今考えると、よくも天皇陛下に「金を支払え」という訴訟を提起できたものだなあ、とおもうのですが、この問題に関して、最高裁平成元年11月20日第二小法廷判決は、次の通り判示して、上告を棄却しました。

<天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である。>

 この最高裁判決は、天皇陛下には民事裁判権が及ばないとした最初の判決です。

 どうせですから、民事の話だけでなく、刑事の話もしておくことにしましょう。

 皇室典範第21条 摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

 この規定を見たことのある人はほとんどいらっしゃらないとおもいますが、皇室典範21条の規定を見ると、どうやら摂政に関して刑事責任を認めない趣旨の規定のように読めますね。
 とすると、21条の規定のとおり考えるならば、おそらく天皇陛下に関しても、刑事責任を認めない趣旨だと考えることができるでしょう。

 したがって、天皇陛下には刑事裁判権も及ばない、ということになりますね。
 

テーマ:天皇陛下・皇室 - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/12/23(水) 00:49:41|
  2. 日本国憲法
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2