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Il testimone...

人生朝露の如し 一日を大切に記していきます

記者クラブ開放の話はどこへいった

○ 記者クラブ(Kisha-Club)開放の話はどこへいった

 報道は常に「国民の知る権利」に資するものであるよう務めなければならない。
 にもかかわらず、行政機関ないし公的機関が記者クラブに部屋を無償で提供し(最近は電気代などは負担しているようだが)、記者らは足を運ばずに行政の垂れ流す情報をそのままうのみにして記事に書いているのが現状だ。
 行政の垂れ流し記事をそのまま記事にしているため、それが朝日新聞だろうが、産経新聞だろうが、報じる内容はほとんど異ならない。

 その構造の実質は、大本営発表と異なるところがない。大マスコミは、官僚の御用記者となり、統治権力の監視というマスメディアの存在理由を問うべき事態に陥っている。朝日新聞風に言えば、記者クラブの存在は「軍靴の足音が聞こえてくるようだ」、である。

 そのような、いわば談合機関に属しているせいか、ばかばかしいことに、報道各社の多くが「特落ち」*を恐れているらしい。もはや記者クラブ内で健全な競争原理が働く余地はないのだろう。

*特落ち=新聞・雑誌などで、複数の他社が載せたトクダネを載せ損なうこと。(大辞林第二版)

 国境なき記者団のサイトで、毎年「報道の自由度ランキング」が掲載されているが、日本は世界で30位前後と順位が低い。その主な理由は、記者クラブという閉鎖的な制度を世界で唯一維持していることだ、とされる。。
 なお、日本語がそのまま英語になった例として、Hentai(変態)とか、Gyosei-Shido(行政指導)といったものがあるが、記者クラブももはや英語で通用する言葉になってしまった。その珍しさ故のことなのだろう。
 <Kisha club From Wikipedia, the free encyclopedia>
 http://en.wikipedia.org/wiki/Kisha_club

 民主党は当初、記者クラブの開放を主張して、政権奪取前はフリージャーナリストや海外メディアを会場に入れた状態で会見をおこなってきた。
 だが、政権が誕生した9月16日に行われた会見はフリージャーナリストを排した状態でおこなわれ、記者クラブの開放とはほど遠い状態になっている。

 それ以後、唯一、岡田外相が記者クラブを開放した状態で記者会見をおこなう方針を明らかにしただけで、他の閣僚はそれに従う姿勢を見せていない。

 マスメディアもほとんど報じぬままだ。メディア関係者も、いまだに記者クラブを開放すれば、報道の自由が侵されてしまう、などと言っている。

 個人的には、記者クラブを開放したら、取材ができなくなるようなマスメディアは潰れてしまえばいい、とおもう。
 その程度で何も報道できなくなるようであれば、もはやその報道機関はマスコミではない。

*次回更新:近日以内

テーマ:報道・マスコミ - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/10/13(火) 18:58:09|
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日本人が世論調査に慣れてきている?

 日本人が世論調査に慣れてきたのは民主主義が成熟している証拠か

 鳩山内閣発足直後に、各報道機関は鳩山内閣の支持率をまとめた。
 支持率と言っても、鳩山内閣が発足しただけで、まだ何も着手していない段階での調査なので、あまり大きな意味はないと思う。
 だが、以前にも、マスコミ各社の世論調査については、あまり過剰に反応すべきでなく、調査結果には「国民の意思」ではなく、「マスコミの意思」が反映されたものだと考えるべきだ、と述べたように、世論調査は、現政権での各社のスタンスを知る上で意味ある資料だ。

 共同通信    : 支持率72・0%
 NNN(日テレ): 支持率67%
 JNN(TBS): 支持率80・1%
 FNN(フジ) : 支持率68・7%
 朝日新聞    : 支持率71%
 日経新聞    : 支持率75%
 ニコニコ動画  : 支持率25・3%(笑)


 個人的な感想としては、TBSの80%というのは、数字を上乗せしすぎだと思うが、おおむね各社70%の前後で帳尻あわせをしてきたなあ、という印象だ。

 ただ、今ではぼろくそに言われている安倍内閣でさえ、発足当初は支持率70%を超える高水準だっただけに、民主党はこの結果に油断をしてはならない。これからの政権運営次第では、4年後には、ニコニコ動画あたりの水準にまで落ちていてもおかしくはない。

 日本の世論調査に関して、あるメディアが興味深い指摘をしていた。それは、韓国の中央日報である。

 「無料」公約に冷静な日本人
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=120740&servcode=A00&sectcode=A00

 鳩山由紀夫新首相が率いる民主党政権が先週発足した。
 鳩山首相は初閣僚会議から今年の会計年度追加予算の一部を執行中断するように指示するなど、民生と福祉を中心にした公約履行のための迅速な措置を取り始めた。
 衆院選挙での圧勝と、主要日刊紙世論調査で2001年小泉内閣スタート当時に続き歴代2位と高く出た70%台の内閣支持率をもとに改革作業を強く勧める勢いだ。内閣支持と合わせて主要公約に対する履行の必要性に対する調査で賛成率が高く出たのも鳩山内閣の改革を進めやすくしてくれる。
 しかし一つ、例外が目立った。高速道路無料化問題だ。[…]
 しかし執権後、世論調査では意外な反応が現れた。高速道路無料化公約を履行しなければならないかという質問に対して回答者の中で約3分の2(毎日新聞63%、朝日新聞67%)が反対すると明らかにした。賛成は24%(朝日)~33%(毎日)にとどまった。
 これからお金を出さなくても良いという、それでも他の名目で補充するというのでもない「無料化」公約に対する日本国民の反応は驚くものだ。無料も良いが、高速道路無料化による交通量の増加、それによって起こる交通停滞と物流システムの混乱、温室ガス削減に逆らっていくという時代精神の問題など逆機能の方が大きいものと見た国民が多いという話だ。
 「建設費を充てようとする目的を果たしたら無料化することが国民に対するサービス」と公約履行を掲げてきた民主党を気おくれさせる世論調査だ
 注目したいのは自民党時代には無料化に極力反対し、民主党政権になると「調査結果、物流費用が大きく下落し、国益に役立つ」と言いだした国土交通省の態度だ。まさに筋の通らない公務員の典型だ。
 日本国民が公務員改革を前面に掲げた民主党を選択した理由が分かりそうだ。
 無料の誘惑はどの時代、どの国にでもあるものと決まっている。しかし現実的制約と逆機能を同時に考えようとする姿勢、日本国民が見せてくれたものがそんな姿ではないかと思う。

 記事の指摘どおり、政権交代を経験し、その目を肥やす国民とがいるいっぽうで、マスコミはいつまでも記者クラブの中に籠もって政治的事柄の弁別も付けられないで、メディアの多極化という時代の流れに逆らって、むしろ退化を続けている。

 これからはマスコミが政権交代をする番ではないか。

 民主党、特に鳩山首相は記者クラブ開放を意向だったが、政権発足直後から既成メディアの批判をくらって、尻込みをしてしまっていたようだ。この対応は、さすがは「友愛」好きの鳩山首相だ、としか言いようがないが、先日、岡田外相がとうとう汚名返上へ向けて動いてくれた。

 岡田外相、記者会見開放を宣言 ネット・フリーランスにも
 http://www.j-cast.com/2009/09/19050063.html

 こういったことは、自民党政権では絶対に成し遂げられなかったものだ。
 岡田外相の対応を歓迎したい。

 そういえば、ある番組で、原口総務相も「記者クラブの開放」に言及していたけれど、原口氏が記者会見を開放した、というニュースは未だに聞こえてこないなあ。
 原口氏は、マスコミに媚びているようなところがある(と私は感じている。)。口で言うのは簡単なことだが、政権を持った以上は、有言実行、言ったことは責任を持って実行してほしいものだ。

* 次回更新 10/11(Sun)

テーマ:民主党・鳩山政権 - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/10/08(木) 23:34:34|
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記者クラブ開放は民主党にとって既得利権打破の最初の砦

 おそらく来週あたりも書くかも知れませんが、記者クラブについて少々。

 わたしが民主党政権に特に希望していたのは、記者クラブの開放だった。
 民主党は野党時代からフリージャーナリストを会見場に入れるなど開放的な取材活動を応援する立場にあり、鳩山首相じしんも、選挙前の記者会見でジャーナリストの上杉隆氏に<私が政権を取って官邸に入った場合、上杉さんにもオープンでございますので、どうぞお入りいただきたい>と言って記者クラブの開放を確約していた。

 しかし、民主党政権誕生直後から、記者クラブについて、どうも民主党議員の歯切れが悪い。
 唯一、岡田外相だけが記者クラブを開放して会見を開くと明言したが、それ以外は、ある番組で「記者クラブは開放します」と大口を叩いていた原口総務相も、鳩山首相じしんも、記者クラブの既得利権を容認してしまっている(現に民主党政権が正式に誕生した9月16日に開かれた首相就任会見では、会見場からフリージャーナリストを閉め出す始末だ。)。

 ジャーナリストの上杉隆氏が言っているように、記者クラブは、メディアと官僚の「馴れ合いの場」だ。

 <普通、世界の報道機関は、需要統計が事実かどうか、道路が本当に必要かどうか役人を疑うわけですけど、日本の場合は官僚制の中に記者クラブが組み込まれているので、批判や検証はなかったわけです。政治家もそれに乗っかった。>(上杉氏)

 すべて同意するわけではないとしても、わたしは民主党の掲げる「脱官僚」の方針に基本的に賛成の立場である。
 だが、記者クラブの開放なくして、脱官僚はあり得ない。

 八ッ場ダムを見ていればすぐに分かる。
 本来、民主党が試算している試算と官僚が提示している試算が違うにもかかわらず、メディアは官僚からのリークをそのまま信じて記事に書いてしまう。
 だから、マスコミはすっかり官僚の言うがままに、「中止したほうが費用がかかるんだから、中止するわけにはいかない」などと言い始めた。
 もちろん前原国交相にも問題があったとおもう。「中止以外にあり得ない」と断言した後にのこのこと現地を視察する、というのは順番がおかしかった。初動ミスがあったと言わざるを得ないと思う。

 個人的には、まずはもう一度、反対派と推進派おのおのの試算を検証することが最初で、それから議論を進めるべきであったと思う。それなしに話を進めようとすれば、ダム建設推進派住民と前原氏との間の溝が深まる。
(そうでないとしても、前原国交相があれだけ「中止」を言ったのであれば、住民に話を聞きに行くというパフォーマンスなんてすべきではなかった。中止のためにどんどん話を進めてしまえばいい。)

 それはともかくとして、いずれにしても、記者クラブの存在がある限り、官僚の垂れ流し記事が新聞の紙面に踊り、民主党は思うように改革を進めることができなくなってしまうだろう。

 * * * * *
 
 ただ、悲観しても仕方がないのかもしれない。民主党政権も始まったばかりで、岡田外相に続く閣僚もあらわれるかもしれない(というか、続いてくれなければ困る。)。

 それに、記者クラブの弊害をネットにアクセスすれば、すぐに知ることができるようになった。
 また、わたしのような若年層に至っては、ほとんど新聞を購読していないし、最近はテレビを視聴する人も劇的に減っているそうだ。コンテンツの質が下がっているとの指摘もあるが、流行に敏感な若者がメディアの多様化の流れをいち早くさとって、既成メディアに見切りをつけ、ネット志向を強めている、というのが正しい見方ではないか、とおもう。
 もしかすると、地デジ完全移行の頃までには、もはやテレビを見る人がいなくなっているのかもしれない(冗談ですよ・笑)。

 ネットに情報源を求める最近の風潮は、既成メディアの画一的な報道に飽きた国民が増えていることを案に示している。
 これは、お金を払って、他の新聞とそれほど論調も変わらないようなつまらない記事を読むよりは、無料でより多くの媒体から情報を得たほうがいい、という合理的な消費者が増えている、ということでもある。

 記者クラブは、メディア多様化の流れに逆らうものだ。官僚とマスメディアが一体となって情報管理、情報統制をする時代はもう終わりにしよう。

 先の衆院選で、国民はそれを実現するための力を民主党に与えた。
 記者クラブの開放という、前政権では絶対になしえなかった偉業を成し遂げられるのは、民主党だけだ。

 モラトリアム法案の前にやることがあるでしょうが(と次回の予告をしておきます・笑)。

*次回更新 10/1予定

テーマ:報道・マスコミ - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/09/28(月) 19:35:02|
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