読売新聞社説:「外国人参政権」地方に限っても禍根を残す

 
             外国人参政権法案の提出検討=会期延長も-山岡民主国対委員長
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009110600356

 民主党の山岡賢次国対委員長は6日午前、自民党の川崎二郎国対委員長と国会内で会談し、永住外国人に地方参政権を付与するための法案について、議員立法での今国会提出を検討する考えを伝え、協力を求めた。川崎氏は、持ち帰って党内で協議した上で回答するとした。

 
 社説はあまり引用したくはないのですが、一度よく読んで改めて外国人参政権について考えてみてはいかがでしょうか。

(10月10日付・読売社説)

 地方選挙に限るとしても、外国人に参政権を認めることは、憲法の規定や国のあり方という観点から、問題が大きい。
 鳩山首相が、ソウルでの日韓首脳共同会見で、永住外国人への地方選挙権付与について、「私個人の意見としては、前向きに結論を出したい」と述べた。
 韓国側の記者の質問に答えたもので、首相は「国民感情は必ずしも統一されていない」とも付け加えた。日本国内の議論が割れていることを意識したのだろう。
 民主党は、1998年の結党時の基本政策に、永住外国人への地方選挙権付与の実現を掲げた。首相のほか、小沢幹事長や岡田外相など推進派が少なくない。
 選挙権付与に積極的な論者が根拠とするのは、在日韓国人が地方選挙権を求めた訴訟での95年最高裁判決だ。傍論部分で、憲法上は禁止されておらず、国の立法政策にかかわる問題としている。
 だが、判決の本論は、国民主権の原理に立って、憲法15条の公務員を選定・罷免する権利は、日本国籍を持つ「日本国民」にあると明示した。93条の地方自治体の首長・議員を選出する「住民」も日本国民を指すとしている。
 法的拘束力のない傍論だけを根拠にするのは強引過ぎる。

 読売新聞社説が言うように、1995年判決(平成7年判決)は推進派の根拠としてたびたび使われています。

 ですが、上記判決は定住外国人に地方選挙権が認められるとはしていないことに気づかなければなりません。

 そもそも平成7年判決は、定住外国人が選挙人名簿に登録されなかったことを契機にして提起された異議申出却下決定取消訴訟です。

 そして、もし、推進派の言うように、「最高裁は憲法が定住外国人に地方選挙権を付与することを許容した」のであれば、最高裁は憲法上の争点について判断することになりますから、最高裁は大法廷判決でなければなりません。

 裁判所法第10条(大法廷及び小法廷の審判)事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない
 一  当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
 二  前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
 三  憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。


 ですが、本判決は第三小法廷で裁判されています。
 つまり、新たな憲法判断を下したわけではなく、平成7年判決は、従前のとおり、「参政権は国民固有の権利」であること、そして、そのことは地方選挙権においても同じであること、を判示したに過ぎないのです。

 参考までに、平成7年判決の原文を掲載しておきます。

 憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものである。
 そこで、憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。
 そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。
 そして、地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない

tag : マスコミ 鳩山由紀夫 民主党 外国人参政権 読売新聞

プロフィール

管理者:くるくる
 主に政治ニュースを取り扱っています。メディア・リテラシーを身につけて客観的に物事を見つめる能力を養うことが目的です。
 コメントは遠慮なくお寄せください。

記事一覧
カレンダー
02 | 2017/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最近のコメント
最近のトラックバック
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>
リンクツリー

 
Twitter
ブログ内検索
管理人へメール
管理人へ私信を送りたい際にご利用ください。

名前(匿名可です。):
メール:
件名(任意):
本文:

カテゴリ
月別アーカイブ
タグクラウド
萩本欽一(#1)脱税(#1)指導(#1)日韓トンネル(#1)ユーラシアグループ(#1)一君萬民ノ政治(#1)空知太神社(#1)日比谷公園(#1)参政権(#1)仏教(#2)郵政民営化(#1)護衛艦(#1)イラク戦争(#2)社会保険庁(#1)自衛隊(#1)戸籍法(#1)韓国(#9)学校(#1)首班指名(#1)衆議院(#1)中西一清(#1)iMac(#1)リアリスト(#1)政治(#1)ASEAN(#1)訴追(#1)不法残留(#1)高校(#6)副鼻腔炎(#13)南京大虐殺(#1)刑事罰(#1)拉致(#2)AirMac(#1)プラハ演説(#1)川田龍平(#1)裁判員(#1)行政罰(#1)亀井静香(#3)宗教(#1)Wi-Fi(#1)阿久根市(#1)不安神経症(#1)わいせつ(#1)保守(#2)菅直人(#4)ボートマッチ(#1)年頭所感(#1)天皇(#16)密約(#2)沖縄密約(#1)起訴議決(#1)日米首脳会談(#1)田中均(#1)死刑廃止(#1)竹原信一(#1)中央大学(#1)グローバリズム(#1)Buddhist(#1)児童ポルノ(#2)神社(#1)前原誠司(#1)非正規雇用(#1)国体明徴(#1)田付景一(#1)青山繁晴(#2)日米安保(#2)参院選(#2)起訴相当(#1)平田健二(#1)最高裁(#3)国民主権(#1)マードック(#1)イラク(#1)毎日新聞(#3)winny(#1)慢性副鼻腔炎(#13)北京五輪(#1)差別(#2)日本維新の会(#1)伴奏(#1)アダムスミス(#1)チベット仏教(#1)児童手当(#1)小沢一郎(#25)中曽根康弘(#1)国際(#1)自由党(#1)平手(#1)東アジア(#1)国連気候変動首脳会合(#1)石原慎太郎(#1)日本テレビ(#1)子ども手当(#2)イデオロギー(#2)タイ(#1)内閣府(#1)ベーシックインカム(#1)モラル(#1)事件(#1)食の安全(#2)法治国家(#1)扶養控除(#2)みんなの党(#4)イスラム教(#2)議員立法(#1)緊張型頭痛(#7)裁判権(#1)李明博(#1)おことば(#1)外国人労働者(#1)暴力(#6)ワーク・シェアリング(#1)キリスト教(#2)ファシズム(#1)パキスタン(#1)増税(#2)特例会見(#1)ネブライザー(#3)佐藤栄作(#1)Mac(#1)國体ノ護持(#1)検察(#2)事業仕分け(#2)外国人管理職事件(#1)改憲(#1)麻生太郎(#3)福田康夫(#2)朝鮮総連(#1)平沼グループ(#1)フィナンシャル・タイムズ(#1)総裁選(#1)非正規(#1)ベトナム(#1)外国人(#2)幇助犯(#1)象徴天皇制(#1)刑法(#1)GHQ(#1)加藤紘一(#1)投票(#1)生活保護(#2)ブログ(#1)核兵器(#1)関門海峡(#1)朝鮮(#1)PRAM(#1)民団(#1)議長(#1)チャレンジド(#1)社民党(#4)児童ポルノ禁止法(#1)世論調査(#1)大前研一(#1)核持ち込み(#1)自由(#1)接続時間(#1)FT(#1)中国(#27)COP15(#1)適正手続(#1)核兵器なき世界(#1)後鼻漏(#13)頭痛(#13)ロキソニン(#2)地球温暖化(#2)大阪市(#6)非正規社員(#1)永住外国人地方参政権付与法案(#1)追徴課税(#1)派遣(#1)財務省(#1)米国(#10)海上自衛隊(#1)就任(#1)公明党(#7)平和(#1)司法(#1)演説(#2)社会党(#1)失言(#2)外務省(#4)比例区(#1)長妻昭(#3)小泉純一郎(#4)千葉景子(#3)表現の自由(#1)年収要件(#1)君が代(#2)肝炎(#1)罪刑法定主義(#1)ノーベル平和賞(#1)死刑(#1)規制緩和(#1)鼻づまり(#13)カダフィ(#1)検察審査員(#1)民主主義(#1)体罰(#8)SWINC(#1)真言宗(#1)新自由主義(#1)田中康夫(#2)関門海峡衝突事故(#1)酒井法子(#1)信教の自由(#1)イスラエル(#1)衆院選(#2)外交(#1)閣僚(#2)官房長官(#2)死刑存置(#1)軍国主義(#2)岡田克也(#5)小泉構造改革(#2)構造改革(#1)核兵器のない世界(#1)二分論(#1)思いやり予算(#1)後楽園キャンパス(#1)マスコミ(#36)信仰(#1)リベラル(#1)国家(#1)市橋達也(#1)日本国憲法(#5)東アジア共同体(#5)住民訴訟(#1)MacBook(#1)消費税(#3)玻南ちゃん(#1)チベット(#3)急性副鼻腔炎(#13)国連(#2)無申告加算税(#1)普天間(#1)配偶者控除(#2)倫理(#1)責任(#1)仙谷由人(#1)リスク(#1)大阪(#2)平野博文(#3)議員定数不均衡(#1)国民新党(#4)南沙諸島(#1)改正(#1)自殺(#6)労働市場の流動化(#1)歴史認識(#1)日本共産党(#3)鼻(#13)上田清司(#1)麻生首相(#1)進歩党(#1)偽装献金(#3)鯨(#1)グリーンピース(#1)聖域なき構造改革(#1)裁判(#1)単純所持(#1)ネット(#1)長島昭久(#1)パイレーツ・オブ・カリビアン(#1)一票の格差(#1)ポツダム宣言(#1)高田晴行(#1)環境税(#1)シーシェパード(#1)命名権(#1)教師(#2)占領政策(#1)海賊(#1)西山太吉(#1)平沼赳夫(#1)コリアン(#1)沖縄(#2)厚生労働省(#2)アジア主義(#1)読売新聞(#1)山崎拓(#3)政治利用(#7)マクリーン事件(#1)野中広務(#1)コンテナ船(#2)吉永みち子(#2)渡部恒三(#2)9条(#3)大阪府知事選(#1)多摩キャンパス(#1)国務省(#1)胡錦涛(#1)大法廷(#1)西沙諸島(#1)中学(#1)バッテリー(#1)法規範(#1)尖閣諸島(#1)日本(#2)国家共同体(#1)外国人参政権(#22)扇子(#1)アジア(#1)TBS(#2)ワーキングシェア(#1)宮内庁(#1)開かれた政党(#1)社畜(#1)ピルグリム・ファーザーズ(#1)即位20周年(#1)仕分け人(#1)厳罰化(#1)民法(#2)中川昭一(#1)公務執行妨害罪(#1)尾辻秀久(#1)北朝鮮(#1)戦争(#1)毒入り餃子(#2)ブッシュ(#1)高窪統(#1)産経新聞(#1)捕鯨(#1)民事責任(#1)鳩山由紀夫(#50)マルキスト(#1)青木幹雄(#1)正社員(#1)所得税(#1)年金(#2)報道(#1)記者クラブ(#3)新党日本(#2)日韓併合(#1)思想及び良心の自由(#1)重加算税(#1)アフガニスタン(#1)朝日新聞(#2)核密約(#1)日韓トンネル研究会(#1)政教分離(#2)創価学会(#2)生徒(#7)鼻水(#13)片山虎之助(#1)Apple(#1)ラジオ(#1)朝ズバッ!(#1)ソマリア(#1)振り込め詐欺(#1)ニクソン(#1)新党大地(#2)給付(#1)GHQ(#3)不起訴不当(#1)刑事責任(#1)橋下徹(#2)guardian(#1)憲法改正(#4)日本郵政(#1)報道の自由(#1)民主党(#100)平和主義(#3)川上義博(#1)税金(#1)安重根(#1)農薬(#1)クジラ(#1)同意(#1)山本孝史(#1)国家戦略室(#2)民本主義(#1)宗教右翼(#1)吉野文六(#1)府知事選(#1)安全保障(#1)前文(#2)高木八尺(#1)護憲(#1)障碍者(#2)オバマ(#10)悪魔ちゃん(#1)所得控除(#2)自民党(#37)法務大臣(#1)判例(#2)夫婦別姓(#1)平和的生存権(#1)政治資金規正法(#1)被害者の権利(#1)横路孝弘(#2)博士の独り言(#1)死刑廃止論(#1)NYT(#1)選挙権(#1)検察審査会(#1)憲法(#9)政界再編(#1)生活(#1)組合(#1)日の丸(#1)75条(#1)派遣村(#2)Constitution(#1)telegraph(#1)天皇誕生日(#1)成年(#1)平松賢司(#1)政府(#1)クラスター爆弾(#1)人権(#3)