【青山繁晴】「ニュースの見方」6月15日中西一清スタミナラジオ【文字起こし】

 
           
 『中西一清スタミナラジオ』6月15日(水曜日)
 青山繁晴氏出演の「ニュースの見方」コーナーの文字起こしです。(N=中西一清氏/A=青山繁晴氏)


N「今日はなんでしょう。」

A「はい。中西さん,ちょっと刺激的な言い方になってしまうんですが,私たちのアジアに戦争の危機が迫っているというのは,承知されていると思います。」

N「戦争の危機…」

A「はい,これ実はその,まさしくこのコーナー"ニュースの見方"って言いますけれども,ちょこっとだけ新聞の外電面などに日本では出てくる話ですが,世界はいま本当に息をのむ形で見つめていて,それは中国とベトナムの戦争です。」

 「ご承知のとおり中国とベトナムっていうのは,北から南のベトナムに,中国がハッキリ申せば侵略を繰り返してきた歴史があって,何千年間も対立の歴史があるんですけれども,1979年には中越戦争(*1)という戦争が実際にありました。」

 「ベトナムというのはすごい国で,まずベトナムを支配していたフランスを第二次世界大戦後にたたき出して,つまりフランスに勝って,その後フランスの代わりに入ってきた米国と戦って,1965年から75年までの10年間のベトナム戦争でついに米国に勝ったと…」

 「国家として米国に勝ったのは世界史の中でベトナムだけです。

 で,フランス,米国をそうやってたたき出したベトナムに今度は79年に中国がやってきたんですが,ベトナム戦争時代にベトナムを支援した,つまり同じ社会主義同士で支援した中国がベトナムに侵略を図ったので世界は驚いたわけですけど,それにもベトナムは勝ったわけですね。

 今,何が起きているかというと,ちょっと地図がないのがもちろん残念なんですけど,中国の南部に海南島(*2)という島があって,その海南島からまっすぐ南にどんどんどんどん南シナ海(*3)に降りていくと,そうすると西沙諸島(*4),英語でいうとParacel,それからさらに南には南沙諸島(*5),英語でいうとspratly。
 こういう島々があって,誰が見ても中国から遠くてむしろベトナムやフィリピンに近いわけですけれども,あるいはマレーシアに近いわけですけれども,これ全部中国のものだと主張しているんですね」

N「そうですよね,ええ」

A「こういう小島がもちろん欲しいわけではなくて,その島々の下にある資源を中国が独占しようとしていて,中国の目的は,たとえば人民解放軍とか,共産党の今の幹部が何か儲けたい,私腹を肥やしたい,あるいは菅さんみたいに政権にとどまりたいという話ではなくて,中国は中国なりに,この海底資源をどうやって確保するかが子々孫々の代,これから100年,200年先,民族と国家を左右すると,いわば覚悟を固めてやっているわけですね。
 これに対してこれまで小競り合いが続いてきたんですが,世界がビックリしたのはベトナム海軍が事実上史上初めて実弾演習を展開したんです。
 ベトナム海軍というのは,さっき言いましたが,ベトナムは非常に戦争に強い国で,陸上の戦闘においてはおそらく僕は世界最強だと思いますね。
 ところが海軍というのは非常にちっぽけな海軍力であって,僕はかつてベトナムの海軍の将軍に海上保安庁の…日本のですね,それを海軍と勘違いされて驚いたことがあったんですよ。
 日本の海上保安庁の戦力でもベトナムが見たら大海軍に見えるわけですね。
 実際に中国とベトナム海軍比較したら,中国は950くらいの観戦をもっていて,ベトナム海軍って全部寄せ集めても130隻くらいしかいない。」

N「そんなにさがあるんですか」

A「まあ観戦の数だけで単純比較はしてはいけないけれども,まあ,そうですね,たとえば,大きな象とウサギくらいの違いがあると考えた方が良いですね。」

N「中国はそれでなくとも海軍力を増強してますものね。」

A「おっしゃるとおりで,空母もまもなくせり出してくるわけですけれども,このもしもベトナム海軍が中国海軍と似たような力だったら,逆に実弾演習やっても世界はそう震撼しない,つまり震え上がらないんですね。
 どうしてかっていうと似たもの同士が力見せ合うというのは案外,抑止力になってすぐに戦争に繋がらない。
 ところがちっぽけな小さな小さなベトナム海軍が実弾を使って中国をわざわざ刺激してみせるというのは,これは世界が見ているのは,ベトナムの後ろに大きな力が実は控えている。
 これは,もう分かるでしょうが,アメリカ軍ですね。」

N「共同演習するって話もあるみたいですね。」

A「おっしゃるとおりで来月,共同演習,海軍の共同演習をすることが史上初めてやるってことが決まったんですけれど,10年間ベトナムと戦った米国が今度はベトナムの味方をする。
 ベトナム戦争ってアメリカ人にとっては決して過去のことではなくて,戦友をベトナムで殺されたアメリカ人から見たらですね,残された世代がまだ50,60代ですから,アメリカ人の中にはベトナムを恨んでいる人がまだまだ多いんです。
 米国に行くとそれがよく分かるんですが,それでもなお米国はいまベトナムを支援して,中国と向かい合おうとしててですね,これはメンツの問題とかではなくて資源の争いですから,お互いこの島々で,西沙諸島,南沙諸島のあたりで資源の採掘を実際これからやるんですね。
 いま既に実はベトナムの資源探査船が付けた海底ケーブルを中国がハッキリとそれを切断したりですね,あるいは中国側が射撃を行ってベトナムの漁船が被害を受けたり,実はまあ小さな戦争は始まっていると言っていいわけですね。
 このことというのは,実は日本に非常に深いかかわりがあって,中西さん,米国が突然ですね…一部の議会人という建前になっていますけれども,普天間について急に態度を変えてきて,同じ沖縄にある嘉手納の戦闘機部隊をグアムに下げるから,普天間はもう実現できない辺野古ではなくて,この嘉手納と一緒にしてくれないかと提案していますね。
 菅政権は大慌てで,てか民主党政権は大慌てで,そんな米国が態度を変えて貰っちゃ困ると言っているわけですが,これは実は米国がグアムに下げるというのは,今まで沖縄から朝鮮半島を見ていたのを,グアムに下げることによってこの南シナ海全体ににらみをきかせたいと言うことなんです。
 さらに7月に中西さんがおっしゃったとおり,ベトナム海軍と演習するというのは,横須賀から原子力空母ジョージ・ワシントン(*6)はじめとして第七艦隊(*7)が出て行くと言うことなんですね。
 だから既に日本に深い関係がある上に,実は中国サイドから見たら,尖閣諸島をこれからどうするかについての試金石だと思っているわけです。
 すなわち,私たちの沖縄県の尖閣諸島に,実は台風シーズンになれば,天候が荒れたという名目の下,大漁船団を尖閣諸島に上陸させるプランが実は中国には敢えて申しますが,あります!」

N「第二次・第三次の尖閣紛争の勃発の可能性大と言うことですね。」

A「そのテストケースとして今,南シナ海でベトナム米国連合と中国のにらみ合いがはじまっているわけです。
 先ほどのコーナーで,日本の政治の話を中西さんされていましたけれども,東日本大震災の復興もちろん福島原子力災害を含めて僕にとっても重大な課題なんですけれども,それと同時に国を統治するというのはそういうときにこそ広い目をもって,いわば日本にとって外交的なピンチが始まっているわけですが
,それをチャンスに変えるというのが統治すると言うことであって,
 実は今の民主党政権は残念ながら,野党を含めてですね,日本の政治は統治能力を失っている。
 その統治能力を回復して外交にも向き合わなければならないと言うことだと思います。」(了)

*1 
中越戦争 - Wikipedia 
*2 海南島。南シナ海北部の島で中国海南省に属する。→位置関係
*3 南シナ海(South China Sea)。フィリピンではWest Philippine Sea。→位置関係
*4 
西沙諸島(Paracel Islands。パラセル諸島)。→位置関係
*5 南沙諸島(Spratly Islands。スプラトリー諸島)。→位置関係
*6 ジョージ・ワシントン。アメリカ海軍の航空母艦。母港は横須賀。
*7 第七艦隊米国海軍の艦隊。Wiki

○関連ニュース
 米とベトナム、南シナ海で7月に合同軍事演習 中国をけん制(日本経済新聞)
 米とベトナム来月合同演習 南シナ海で(産経新聞)
 

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tag : 青山繁晴 中国 米国 ベトナム 南沙諸島 西沙諸島 尖閣諸島 中西一清 ラジオ

[選挙] 道路欲しいなら「民主応援を」では政権交代した意味がない

 
            少し前の記事になるので、知っている方にとっては単なる事柄の蒸し返しになって恐縮なのですが、こんな記事の存在を今さらになって知りました。

<「政府与党はどこか、皆さんもよく理解して欲しい」
 民主党幹事長室に25日、陳情に訪れた全国高速道路建設協議会(会長・横内正明山梨県知事)の知事らに、吉田治副幹事長が見返りに民主党議員への選挙協力を求めた。
 吉田氏は地元で要望を受けた際、「それを言うんだったら民主党を応援してから言ってこい」と発言したことを紹介。さらに口々に道路建設を要求する知事らに対して「皆さん方はこれだけのお願いをしてこられた。私どもが受け止めてしっかりやることは、皆さん方も私たちに地域で、どうしっかりして下さるのかということだ」と述べた。>

 11月末に出たこの記事を今さら蒸し返すことによって、民主党バッシングに加わりたいわけではないし、だからといって前政権のやっていたことのすべてが正しかったと言いたいわけではありません。
 それに、私は基本的に、政権交代がなされたこと、それだけでも大きな意味があったと考えていますから、民主党政権の存在そのものを認めないかのような意見に与することもありません。

 ですが、せっかくの政権交代なのだから、この国をより良い方向へと変えていく、あるいは、直していくきっかけにして欲しいと思っています。
 寝言を言っているように聞こえるかもしれませんが、私は今でも必要なのは「政界再編」であって、行き着く先はアメリカ型の二大政党制ではなく、多党制であるべきだと考えています。

 その中で、今回の政権交代は、不必要な道路を排除する良いきっかけになって欲しいと思っていました。もちろん、必要な道路を一切作るなという極端な考え方は適切ではありませんが、日本の守るべき自然環境を大いに破壊してまで不必要な道路が造られるべきではありませんから、それらの無駄を排除するには好機だと思います。

 しかし、上記記事によれば、民主党の副幹事長が<道路が欲しいなら民主党を応援しろ>との発言をなさったとのことです。これは、集票目的のための道路整備を実現するという意味では、自民党政権よりも悪質かもしれません。
 
 前のエントリでも申し上げたように、消費税についても、鳩山首相や菅財相は4年内(衆議院議員任期満了)の引き上げには反対しているものの、税制改正を担当する仙谷行政刷新兼国家戦略室担当相は、「消費税を20%にしても足りない」として平成23(2011)年の抜本的な消費税の見直しを明言されています。
 こういった動きは、有権者の意思に明確に反するものであって、改めて民意を問うべき必要性の高い場合として、選挙を通じて是非を問うべきでしょう。

 よく民主党は、クリーンな政党で、利権構造とのつながりが一切ない、と平然と言う人がいます。テレビでも、平気でそのようなウソを垂れ流している人がいます。
 しかし、民主党の中にも、マルチ商法の強い擁護者であったり、ある宗教法人と強いパイプを持ち、たびたびその宗教法人を訪ねては講演等を通じて支持を集めている議員もいるのです。

 今後は、民主党も国民の厳しい監視を受けるときなのです。そうでなければ、政権交代した意味がないのではないでしょうか。

 *******

 ところで、Twitterのほうでもつぶやいたことなのですが、外国人参政権について、以前、拙ブログでも、朝鮮総連は「外国人参政権に反対している」とのことを書きました。しかし、次のような見方もあるようなので、参考までにご紹介しておきます。
 私の場合は、民団との違いを明瞭にするという意味で、敢えて反対を唱えている点は理解しますが、これまで一貫した反対の姿勢をとり続けてきた総連が本音の部分で賛成をしていたとまでは言えないのではないか、と考えています。
 いろいろな見方があって良いとはおもいますが、なかなか考えさせられる事柄ではあります。

 <念のため - ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ>


*次回更新 1月11日(月)近日中 少し間が空きますが、ご了承ください。Twitterのほうでは、毎日つぶやいていますので、よろしかったらどうぞ。

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