ノーベル平和賞に劉暁波氏

 
            ノーベル平和賞劉氏、当局監視下で妻と面会か
http://www.cnn.co.jp/world/30000482.html

 ノーベル平和賞の受賞が決まった中国の民主活動家、劉暁波氏の妻、劉霞さんが、劉氏が服役中の刑務所がある遼寧省錦州市に向けて出発し、10日にも面会する予定とみられている。
 劉氏の弁護士によれば、劉霞さんの携帯電話が7日以来通話不能となり、現在本人と連絡を取ることができない状態だという。
 劉霞さんは8日、「警察から夫と9日に面会させると言われた」と述べていた。夫にノーベル賞受賞のニュースを一刻も早く伝えたいと話していたという。
 劉氏のノーベル平和賞受賞が決まった8日、中国当局は国内メディアに対し、平和賞のニュースに関する厳しい報道管制を実施。またツイッターなどに対するネット検閲が強化されたほか、ノーベル賞公式サイトにある平和賞関連のページへのアクセスも遮断された



中国、「ノーベル平和賞」のネット検索を遮断
http://www.cnn.co.jp/world/30000472.html

 2010年のノーベル平和賞の発表に世界中のマスコミが沸く中、受賞した中国人活動家、劉暁波氏の母国である中国の当局は、公の場から劉氏の名前を抹消しようと奔走している
 例えば、中国の検索エンジンで「劉暁波」または「ノーベル平和賞」と入力しリターンキーを押すとエラーメッセージが表示される。



 関連する動画をご紹介します。

 <ノーベル平和賞 中国人 劉暁波氏 (共産党批判で服役中) >
 

 <劉暁波氏にノーベル賞、菅首相の反応は >
 

 <劉暁波氏にノーベル平和賞――選考者が本音を語る >
 

 <20101008-劉暁波ノーベル平和賞受賞に石平氏がコメント>(オススメ)
 

theme : 国際政治
genre : 政治・経済

tag : 民主党 中国 ノーベル平和賞

『「親日」と「反日」の文化人類学』(崔吉城)

 
             書評なんてたいそうなものはできないので,私が読んだ本のご紹介です。

 崔吉城(チェ・キルソン)『「親日」と「反日」の文化人類学』(明石書店,平成14年)

 本の紹介文

 韓国で生まれ、教育を受け、日本研究や教育に長く携わってきた著者が、日韓関係について植民地の歴史認識に理性的論議が進められることを願って著した書。戦前の親日化、植民地と日本のイメージ、反日の暴力化などを扱う。

 この種のタイトルを見ると,「あ,左翼が日本にイチャモン付ける本か」とか,逆に「また右翼が反日と騒いでるのか」という反応がかえってきそうですが,大学教授であるチェ氏だけあって,自身の研究を踏まえた上での極めてフェアな視点から書かれたものです。

 その姿勢は,あとがきを読めば一目瞭然で,チェ氏は日本に在住する韓国人として,日本の右傾化に一定の警戒を示しながらも,韓国や中国は自国のナショナリズムを見直すべきだと訴えています。

 私が最も印象的だったのは,どういう形で韓国人のナショナリズムが形成されるのか,という点です。
 詳しくは本を読んでいただくとして,特に,最近の韓国人,とりわけ事あるごとに抗議デモに参加して日の丸を焼いたりしている人たちを見る限り,どうも過去の戦争を経験した人には見えないため,なぜ彼らがここまでナショナリズムをむき出しにして反日感情を高揚させているのか,という疑問点がなんとなくわかった気になりました。

 あと本筋には関係のないことですが,あとがきにてチェ氏が紹介する「友人の話」に以下のようなことが書いてあって気になりました。

 ある韓国人は広島に来て平和記念館を観覧して怒って言う。〔…〕日本が被害意識を強調しながら戦争責任から逃げようとしており反省していないという。原爆の被害感情さえ韓国とは共有できていない。

 韓国人から見ると,広島の平和記念館は「日帝が被害者面するなんてけしからん」と見えるんですかね…
 これじゃあ,日韓の歴史認識なんて一致を見るわけがないのは当然ですね。。

タイの平和構築のために日本にできることはないのだろうか…

 
             これまた久しぶりの更新になって申し訳ないです。

 個人的な話ですが、ここ最近、あまり体調が優れず、健康診断でも精密検査が必要である旨言われているので、先日も病院で検査等をしてきたところです。

 最近、気になっているのは、タイ情勢です。どこぞの国と違って、まだ国際社会に情報が入ってくるだけマシとも言えますが、なかなか良い方向にはむかっていませんね。
 一部では、背後に中国の存在を指摘する声もありますから、まだまだ油断ならない状況が続くのでしょう。

 今日、ご紹介したいのは、写真です。もちろん今のタイの様子を伝えるものが多いのですが、なかなか日本ではお目にかかる機会もないと思うので、ご紹介したいと思います。

 前半に出てくる過激な暴力の光景と、後半に出てくるタイの僧侶たちの静かに祈る姿とのコントラストが、なんとも悲しいです・・・

 <Deadly mayhem grips Bangkok>
 http://www.sacbee.com/static/weblogs/photos/2010/05/deadly-mayhem-grips-bangkok.html

 BANGKOK (AP) -- The Thai government rejected a proposal Tuesday for peace talks with leaders of the Red Shirt protesters to end the deadly mayhem gripping Bangkok, saying negotiations cannot start until the demonstrators disperse. The decision set back hopes of stemming the crisis after six days of violence that has left 38 people dead and destabilized a country once regarded as one of Southeast Asia's strongest democracies. Thousands of anti-government Red Shirts, many rural poor, remain camped behind barricades to press their demand for quick national elections. Their sympathizers battled soldiers in nearby streets. (29 images)


theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済

tag : タイ

[国際] 2010年「十大リスク」第5位は「日本」

 
           

<米シンクタンク、ユーラシア・グループは4日、2010年の十大リスクを発表、トップに米中関係、5番目に「日本」を挙げた。
 官僚や産業界の影響を制限しようとする民主党の方針が「より高い政策リスクを招いている」と指摘。「産業界に好意的とは言えない民主党の傾向は財政に対する信頼を損ない、経済的な苦境を深めかねない」と警告した。
 同グループは「民主党の真の実力者は小沢一郎氏」と直言。鳩山由紀夫首相は年内に交代の可能性が高いと分析した。民主党政権は「小泉政権後の脆弱(ぜいじゃく)な政権の延長になりそう」と予測した上で、「政策を立案する官僚の支援を欠き、経済状況もより深刻だ」と悲観的な見方を示した。>

 これだけでは何を書いているのかが分からないし、もともとのデータは日本語向けに公開されているものではないから、例によって第一ソースにあたってみることにしましょう。
 1位 米中関係
 2位 イラン
 3位 欧州の財政政策の不一致
 4位 米国の金融規制問題
 5位 日本

 日本が5位に位置づけられている理由は、大ざっぱに言うと、「日本が政権交代してどうなるのか分からなくなったから」ということのようです。
 小沢幹事長の存在感、首相のスキャンダルなどが作用し、事態がさらに流動化するだろう、ということです。

 ところで、よく日本国内では、米国は中国に擦り寄っているから、日本は米国から見放されてやばいことになるぞ~と言う評論家やジャーナリストが多いのですが、私はそのようには感じません。
 米国が対中関係を重視しているのは間違いありませんが、それは上記ランキングが1位とするように、米中関係は、米国にとって軍事的にも、経済的にも、リスクが高いのです。
 擦り寄っているというよりは、米国にとって危機管理の一環として中国を重視しているに過ぎません。

 中国という独裁国家の国家主席に、百数十名の民主党議員がわざわざ握手をしてもらう姿をカメラに撮ってもらうような我が国の対中外交は、明らかに「媚び」と呼ぶべきですが、米国の「対中重視」は「媚び」とは明確に区別されるべきでしょう。

theme : 民主党
genre : 政治・経済

tag : 民主党 鳩山由紀夫 自民党 中国 小沢一郎 ユーラシアグループ 米国

[中国] いま日中関係は最良だが、いつ反日カードが出てくるか分からない(by FT)

 
             今年のエントリは、今回を含めてあと2個アップする予定です。アクセスしてくださったすべての人に感謝します。
 英国のコラムニストDavid Pilling氏がFinancial Timesで日本と中国に関するコラムを書いています。

 <Beijing finds fine words for its old enemy>
 http://www.ft.com/cms/s/0/0b636690-ea7a-11de-a9f5-00144feab49a.html?nclick_check=1

 記事のタイトルは「北京はかつての敵に良い言葉をかけた」という意味深なもの。当然、「かつての敵」とは、日本のことです。(翻訳しながら読んでいるので、原文の改行が変則的になっています。ご了承ください。)

 <Xi Jinping, the man widely tipped to succeed Hu Jintao as China’s president in 2012, dropped in on Japan’s emperor this week.
 Though such visits are normally arranged months in advance, Beijing gave just a couple of days’ notice, the equivalent in imperial-etiquette terms of loudly banging on your neighbour’s door at 3am asking to borrow a cup of sugar.>

(拙訳)2012年、胡錦涛国家主席の後継者として広く注目されてい習近平〔国家副主席〕は、今週、日本の天皇のもとを訪〔たず〕ねた。
 〔天皇との〕会見は通常数ヶ月前から調整されるものであるが、北京政府が面会の申込みをしてきたのは、ほんの数日前のことだった。皇室の儀礼では、真夜中3時に砂糖を1カップ借りるために近所のドアを騒々しく叩きに来るのと同じことである。

 <A request by Yukio Hatoyama, Japan’s freshly installed prime minister, that an audience be granted even at such short notice, was criticised by some in Japan, particularly on the right. They saw in it a willingness by the new left-of-centre government to kowtow to Beijing.
 Even the normally discreet head of the Imperial Household Agency, the stern and secretive body that controls the royal schedule, objected publicly that the emperor should not be used as a diplomatic tool.>

 新しく就任した日本の首相である鳩山由紀夫氏の指示は、これほどまでに直前の申込みであっても〔国家副主席との面会を〕承諾する、というものだった。これは、日本の一部、とりわけ右翼から批判を受けた。彼らには、中道左派の新政権が北京に媚びているように見えているのだ。
 宮内庁は皇室のスケジュールをコントロールする厳格で閉鎖的な組織であるが、その宮内庁の、普通は控えめな長官でさえも、天皇を外交上の道具として利用すべきでないと公に反対した。

 <But he did coo, in no doubt entirely off-the-cuff remarks: “I hope my visit will contribute to the development of friendly co-operation between the two countries and boost friendship between the two peoples.”>

 しかし習副主席は、全く疑いもなく即興で、次のように〔天皇陛下に〕心地の良い言葉を口にしたのである。
 「私は今回の訪問で日中両国の友好協力の発展と両国人民の友好を後押ししたいのです。」

 〔コラムでは、このことが驚くべきことだ、と指摘します。〕

 <You only need to cast your mind a few years back to realise how remarkable has been the change in tone.〔・・・〕
 Mr Koizumi’s penchant for visiting Yasukuni shrine, a Japanese war memorial vilified by Beijing, meant he was effectively banned from setting foot on Chinese soil.
 Relations entered dangerous territory in 2005 when Japan’s (aborted) endeavour to secure itself a permanent seat on the United Nations Security Council sparked three weeks of anti-Japanese demonstrations in which Japanese commercial and diplomatic interests were attacked the length and breadth of China.>

 数年前の出来事を思い出して欲しい。どんなに珍しいことか気づくことだろう。どんなに彼らのトーンが変わったか、を。
 北京から中傷されている日本人による戦争の記念館「靖国神社」に参りたがる小泉首相の傾向のせいで、事実上小泉首相は中国の土地に上陸することが禁止されていた。
 平成17〔2005〕年には、日本が安保理の常任理事国入りになろうとしたために(後に中止した)、3週間にわたって中国のあちらこちらにある日本の商業施設、外交団が襲われる反日運動が相次いだため、日中関係は危険水域に入った。

 〔・・・〕
 北京にとって、天安門事件以降、反日カード(anti-Japan's card)は使い勝手の良いものだったが、使いすぎを悟ったのもこのころ(小泉政権時)だったこと、その証拠に、明らかに国家主義者であった安倍元首相に中国は友好ムードで迫ってきたこと、などと指摘した上で、このコラムは次のように書いています。

 <Indeed, it is a stated policy aim of Mr Hatoyama’s government to draw even closer to China as part of its strategy to embed itself more solidly in its Asian context.
 Yet it may be too early to declare one of the most prickly relationships in Asia permanently de-thorned.
 When it comes to substantive issues – such as a long-running attempt to settle a demarcation dispute over disputed underwater gas reserves – little tangible progress has been made.
 Fine words can go only so far in healing historical scars.
 There may also still come a time when being nasty to Tokyo becomes more useful to Beijing than being nice.
 If the Communist party ever wants to distract attention from domestic problems, it could yet be tempted to play the anti-Japanese card again.>

 実際のところ、アジアのコンテクストの中に「日本を組み込む」という戦略の一部として、鳩山政権は中国への接近を政策目標に掲げている。
 現時点で、アジアで最も面倒な日中関係から完全にトゲを抜いたなどと断言するのはあまりにも早いかもしれない。
 本質的な問題、たとえば、ガス田をめぐる領海の争いのようなものに至っては、ほとんど進歩がない〔からだ〕。
 美辞麗句は、歴史の傷を癒すにはあまり意味がないかも知れない。
 北京にとっては、東京に卑劣なこと〔反日運動〕をすることのほうが都合がよくなることもあるかもしれない。
 もし、中共が国内の問題から人民の目をそらそうと考えれば、中共はふたたび反日カードを使いたくなることもあり得るのだ。

 (酷い訳をご提供してしまったのは、私がお酒を飲みながら書いているからです。という言い訳を今年の最後にしてしまうのは、なんともお恥ずかしい限り。。)

 ただ、ポイントをまとめてみると、こんな感じになるでしょうか。

1.特例会見問題は、皇室の儀礼から言えば、かなり失礼なものであることは間違いない。

2.それでも鳩山首相が「Go」サインを出したことで、日本の右派を中心に非難の声が上がっている。

3.だが、その問題に覆い隠された事実にも目を留めなければならない。それは、習副主席が天皇陛下に向かって美辞麗句を述べた、という事実だ。

4.これまでの日中関係を見れば、それが意外なことである、と受け止める必要がある。

5.小泉政権時代、日中関係は危険水準に達していたものの、中国はそのときに「反日カード」を使いすぎたことを自覚していた。そのため、安倍政権時代には、中国は日本に対して友好的な態度で接することにした。

6.日中関係の強化という点で、今日、日中両国は同じ方向を向いている。なぜなら、中国は日本の発展に倣うべく、日本の公共政策や技術開発を通じたエネルギー効率の良い国を作る方法を知りたがっている一方、日本は最大の貿易相手である中国の無尽蔵の労働力を使いたいと思っているからだ。

7.ただし、アジアにおける日本の地位を確立させたいという鳩山政権であるが、日中関係が美辞麗句で固められ、一見関係が良好のように見えたとしても、中国国内の情勢いかんによっては、中共が自国の不満のガス抜きをさせるために、いつまた反日カードをきってくるかわからない、というリスクがある。

 このコラムは、なかなか有益な指摘だとおもいます。みなさんはどのようにお考えになりましたでしょうか。

theme : 天皇陛下・皇室
genre : 政治・経済

tag : 民主党 鳩山由紀夫 マスコミ 中国 フィナンシャル・タイムズ FT

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