(政治)山教組弱体化 業界、公明票が穴埋め

 
             元リンクが早くも削除されています。今月14日配信の記事がたった2週間で削除されますかね??

 <山教組弱体化 業界、公明票が穴埋め>(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20100714-OYT8T00832.htm(リンク切れ)

 参院選の投開票日前日の7月10日。
 県内のある公立中学教諭は、山梨県教職員組合(山教組)の支部役員を務める後輩教諭から、民主党参院議員会長の輿石東氏(74)へのさらなる選挙協力を依頼された。
 前日の9日には、教諭OBからも電話を受けていた。

「組合員は1人1票上乗せを頼むわ」

 最終盤の相次ぐ依頼に、教諭は「相当焦っているな」と感じたが、ちょうど期末テストでてんてこ舞いの時期。OBには逆らえないため、「わかりました」と応対した。
 だが、後輩の役員には「難しそうだ」と答えた。

 別の20歳代の中学教諭は明らかに選挙への関心を失っていた。
「先輩は選挙で慌てていたが、期末テストや成績表で忙しかった。選挙なんてめんどくさいし、やる意味がないですよ」〔…〕

 輿石氏陣営は今回、別の組織票を頼った。公明票だ。

「バーターしませんか」

 輿石陣営幹部が複数の公明党議員らの自宅を訪ね歩いていた。同党が山梨選挙区の「自主投票」を表明した6月17日以降のことだ。
 輿石陣営が「比例は公明」を指示する代わりに、公明支持者に「選挙区は輿石」を依頼するという非公式の選挙協力の打診だった。

 ある公明党市議は証言する。「バーターに応じた。自民党側からは何の働きかけもなかったから」
 読売新聞の参院選出口調査にも「バーター」の効果が見て取れる。公明支持層の約5割が宮川氏、2割以上は輿石氏に投票していた。今回、公明党の比例選の得票は4万7646票に上った。〔…〕
 山教組の弱体化を、公明党や業界票など、輿石氏と距離のあった組織票が穴埋めしたとも言えそうだ。
 だが、山教組幹部は意気盛んだ。「宮川氏を支持した自民党県議は来春の県議選で落選させる。選挙の恨みは選挙で晴らす」

 山教組が再び「選挙集団」に戻るのかどうか。それを決めるのは現職教諭たちだ。

(司法)国籍法違憲判決

 
             一時期ネットを騒がせた国籍法の違憲判決。
 これに基づき行われた国会の国籍法改正によって,偽装認知が増えるなどの弊害が生ずると,ネットでは危惧する声がありました。

 しかし,国籍法を違憲とした最高裁大法廷判決を実際に読んだ人はあまりいないと思われます。

 今だからこそ,冷静に最高裁の判決を読んでみましょう。ただし,少数意見等を含めるとかなり長文にわたってしまいますので,ある程度,私のほうで要約したものをご紹介します。

<最高裁平成20年6月4日大法廷判決>

・事案の概要

 本件は,法律上の婚姻関係にない日本国民である父とフィリピン共和国籍を有する母との間に本邦において出生した上告人らが,出生後父から認知を受けたことを理由として平成17年に法務大臣あてに国籍取得届を提出したところ,国籍取得の条件を備えておらず,日本国籍を取得していないものとされたことから,被上告人に対し,日本国籍を有することの確認を求めている事案である。

・問題となった国籍法の規定

 国籍法2条1号は,子は出生の時に父又は母が日本国民であるときに日本国民とする旨を規定して,日本国籍の生来的取得について,いわゆる父母両系血統主義によることを定めている。
 したがって,子が出生の時に日本国民である父又は母との間に法律上の親子関係を有するときは,生来的に日本国籍を取得することになる。

 国籍法3条1項は,
「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であった者を除く。)は,認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において,その父又は母が現に日本国民であるとき,又はその死亡の時に日本国民であったときは,法務大臣に届け出ることによって,日本の国籍を取得することができる。」
と規定し,
 同条2項は,
「前項の規定による届出をした者は,その届出の時に日本の国籍を取得する。」
と規定している。

 同条1項は,父又は母が認知をした場合について規定しているが,日本国民である母の非嫡出子は,出生により母との間に法律上の親子関係が生ずると解され,また,日本国民である父が胎児認知した子は,出生時に父との間に法律上の親子関係が生ずることとなり,それぞれ同法2条1号により生来的に日本国籍を取得することから,同法3条1項は,実際上は,法律上の婚姻関係にない日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した子で,父から胎児認知を受けていないものに限り適用されることになる。

○ 国籍法3条1項による国籍取得の区別の憲法適合性について

 国籍法3条1項の規定が,日本国民である父の非嫡出子について,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した者に限り日本国籍の取得を認めていることによって,同じく日本国民である父から認知された子でありながら父母が法律上の婚姻をしていない非嫡出子は,その余の同項所定の要件を満たしても日本国籍を取得することができないという区別(以下「本件区別」という。)が生じており,このことが憲法14条1項に違反するとした上で,国籍法3条1項の規定のうち本件区別を生じさせた部分のみが違憲無効であるとし,上告人らには同項のその余の規定に基づいて日本国籍の取得が認められるべきであるか。

(1)憲法14条1項は,法の下の平等を定めており,この規定は,事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでない限り,法的な差別的取扱いを禁止する趣旨であると解すべき

 憲法10条は,「日本国民たる要件は,法律でこれを定める。」と規定
 これを受けて,国籍法は,日本国籍の得喪に関する要件を規定

 憲法10条の規定は,国籍は国家の構成員としての資格であり,国籍の得喪に関する要件を定めるに当たってはそれぞれの国の歴史的事情,伝統,政治的,社会的及び経済的環境等,種々の要因を考慮する必要があることから,これをどのように定めるかについて,立法府の裁量判断にゆだねる趣旨のものである

 しかしながら,このようにして定められた日本国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が,合理的理由のない差別的取扱いとなるときは,憲法14条1項違反の問題を生ずることはいうまでもない

 立法府に与えられた上記のような裁量権を考慮しても,なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合,又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には,当該区別は,合理的な理由のない差別として,同項に違反するものと解されることになる。

 日本国籍は,我が国の構成員としての資格であるとともに,我が国において基本的人権の保障,公的資格の付与,公的給付等を受ける上で意味を持つ重要な法的地位でもある。
 一方,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは,子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。
 したがって,このような事柄をもって日本国籍取得の要件に関して区別を生じさせることに合理的な理由があるか否かについては,慎重に検討することが必要である。

 国籍法3条1項は,日本国民である父が日本国民でない母との間の子を出生後に認知しただけでは日本国籍の取得を認めず,準正のあった場合に限り日本国籍を取得させることとしており,これによって本件区別が生じている。

 このような規定が設けられた主な理由は,日本国民である父が出生後に認知した子については,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得することによって,日本国民である父との生活の一体化が生じ,家族生活を通じた我が国社会との密接な結び付きが生ずることから,日本国籍の取得を認めることが相当であるという点にあるものと解される。

 また,上記国籍法改正の当時には,父母両系血統主義を採用する国には,自国民である父の子について認知だけでなく準正のあった場合に限り自国籍の取得を認める国が多かったことも,本件区別が合理的なものとして設けられた理由であると解される。

 その後,我が国における社会的,経済的環境等の変化に伴って,夫婦共同生活の在り方を含む家族生活や親子関係に関する意識も一様ではなくなってきており,今日では,出生数に占める非嫡出子の割合が増加するなど,家族生活や親子関係の実態も変化し多様化してきている。

 このような社会通念及び社会的状況の変化に加えて,近年,我が国の国際化の進展に伴い国際的交流が増大することにより,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生する子が増加

 両親の一方のみが日本国民である場合には,同居の有無など家族生活の実態においても,法律上の婚姻やそれを背景とした親子関係の在り方についての認識においても,両親が日本国民である場合と比べてより複雑多様な面があり,その子と我が国との結び付きの強弱を両親が法律上の婚姻をしているか否かをもって直ちに測ることはできない。

 これらのことを考慮すれば,日本国民である父が日本国民でない母と法律上の婚姻をしたことをもって,初めて子に日本国籍を与えるに足りるだけの我が国との密接な結び付きが認められるものとすることは,今日では必ずしも家族生活等の実態に適合するものということはできない。

 一方,国籍法は,前記のとおり,父母両系血統主義を採用し,日本国民である父又は母との法律上の親子関係があることをもって我が国との密接な結び付きがあるものとして日本国籍を付与するという立場に立って,出生の時に父又は母のいずれかが日本国民であるときには子が日本国籍を取得するものとしている(2条1号)。
 その結果,日本国民である父又は母の嫡出子として出生した子はもとより,日本国民である父から胎児認知された非嫡出子及び日本国民である母の非嫡出子も,生来的に日本国籍を取得することとなるところ,同じく日本国民を血統上の親として出生し,法律上の親子関係を生じた子であるにもかかわらず,日本国民である父から出生後に認知された子のうち準正により嫡出子たる身分を取得しないものに限っては,生来的に日本国籍を取得しないのみならず,同法3条1項所定の届出により日本国籍を取得することもできないことになる。
 このような区別の結果,日本国民である父から出生後に認知されたにとどまる非嫡出子のみが,日本国籍の取得について著しい差別的取扱いを受けているものといわざるを得ない。

 したがって,上記時点において,本件区別は合理的な理由のない差別となっていたといわざるを得ず,国籍法3条1項の規定が本件区別を生じさせていることは,憲法14条1項に違反するものであったというべきである。

 *****

(裁判官横尾和子,同津野修,同古田佑紀の反対意見)

 実態の変化についても,家族の生活状況に顕著な変化があるとは思われない

 統計によれば,非嫡出子の出生数は,国籍法3条1項立法の翌年である昭和60年において1万4168人(1.0%),平成15年において2万1634人(1.9%)であり,日本国民を父とし,外国人を母とする子の出生数は,統計の得られる昭和62年において5538人,平成15年において1万2690人であり,増加はしているものの,その程度はわずかである。

 このように,約20年の間における非嫡出子の増加が上記の程度であることは,多数意見の指摘と異なり,少なくとも,子を含む場合の家族関係の在り方については,国民一般の意識に大きな変化がないことの証左と見ることも十分可能である。

 確かに,諸外国においては,西欧諸国を中心として,非準正子についても国籍取得を認める立法例が多くなったことは事実である。
 しかし,これらの諸国においては,その歴史的,地理的状況から国際結婚が多いようにうかがえ,かつ,欧州連合(EU)などの地域的な統合が推進,拡大されているなどの事情がある。
 また,非嫡出子の数も,30%を超える国が多数に上り,少ない国でも10%を超えているようにうかがわれるなど,我が国とは様々な面で社会の状況に大きな違いがある。

 なお,国籍法3条1項立法当時,これらの国の法制が立法政策としての相当性については参考とされたものの,憲法適合性を考える上で参考とされたようにはうかがえない。このようなことからすれば,これらの諸国の動向を直ちに我が国における憲法適合性の判断の考慮事情とすることは相当でないと考える。

 しかし,これらの場合は,出生時において法的に日本国民の子であることが確定しているのであって,その後の生活状況の相違が影響する余地がない一方,国籍は,出生時において,一律に付与される必要があることからすれば,これらの子にも国籍を付与することに合理性がある。
 実質的に見ても,非嫡出子は出生時において母の親権に服すること,胎児認知は任意認知に限られることなど,これらの場合は,強弱の違いはあっても,親と子の関係に関し,既に出生の時点で血統を超えた我が国社会との結び付きを認めることができる要素があるといえる。
 また,母が日本国民である場合との差は,出生時における子との種々のかかわり合いに関する父と母の違いから生じるもので,これを男女間における差別ととらえることは相当とは思われない。

 一方,国籍法3条1項は,婚姻と出生の前後関係が異なる場合における国籍取得の均衡を図るとともに,親と生活関係を共にする未成年の嫡出子は親と同一の国籍に属することが望ましいという観点も考慮して立法されたものであり,その意味で出生時を基準とする血統主義を補完する措置とされるものであって,血統主義の徹底,拡充を図ることを目的とするものではない。
 そして,準正により父が子について親権者となり,監護,養育の権利,義務を有することになるなど,法律上もその関係が強固になること,届出のみにより国籍を付与する場合,その要件はできるだけ明確かつ一律であることが適当であること,届出による国籍取得は,外国籍からの離脱が条件とされていないこと,非準正子の場合は,我が国との結び付きの有無,程度が様々であるから,これを個別,具体的に判断する帰化制度によることが合理的で国籍法の体系に沿うものであるところ,帰化の条件が大幅に緩和されていることなどからすれば,認知を受けた場合全般ではなく,準正があった場合をもって届出により国籍取得を認めることとすることには十分合理性が認められるのであって,これらの点が多数意見指摘の事情によって変化したとはいえない。

 もとより,私たちも,これらの子についても,必要に応じて,適切な保護等が与えられるべきことを否定するものではない。しかし,そのことと国籍をどのような条件で付与するかは,異なる問題である。
 

(司法)外国人参政権と外国人類型論

 
             以前取り上げたことのある話題かもしれませんが,ふたたび再論しておきます。

 いわゆる「外国人参政権」とは,特別永住外国人ないし一般永住外国人に対して,地方における選挙権を法律で付与することができるとの考え方を前提として,現在は,政党レベルでは,民主党,公明党,社民党,日本共産党を中心に推進が叫ばれています。

 憲法は15条1項において
 「公務員を選定し,及びこれを罷免することは,国民固有の権利である。」
と定めており,地方参政権に関しては,93条2項において
 「地方公共団体の長,その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は,その地方公共団体の住民が,直接これを選挙する。」
としています。

 推進派は,外国人参政権の合憲性を説明する際に,たびたび最高裁平成7年2月28日第三小法廷判決を引用する。同最高裁判決は傍論ではあるものの,次のように述べている。

 憲法93条2項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、
 憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、
 我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、
 法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。
 しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。

(改行は筆者による)
 つまり,最高裁は,法律をもってすれば,一定の外国人,すなわち<我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるもの>に対してであれば,選挙権を付与することも憲法に違反するものではない,とするのです。

 しかし,前にご指摘したところと思いますが,この平成7年最高裁判決があった約10年後の,最高裁平成17年1月26日大法廷判決では,在日コリアンが都の管理職試験の受験を拒否されたことの違法性が争われた事案において,次のように判示されています。

 地方公務員のうち,住民の権利義務を直接形成し,その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い,又はこれらに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員」という。)については,次のように解するのが相当である。
 すなわち,公権力行使等地方公務員の職務の遂行は,住民の権利義務や法的地位の内容を定め,あるいはこれらに事実上大きな影響を及ぼすなど,住民の生活に直接間接に重大なかかわりを有するものである。
 それゆえ,国民主権の原理に基づき,国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条,15条1項参照)に照らし,原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり,我が国以外の国家に帰属し,その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは,本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。
 そして,普通地方公共団体が,公務員制度を構築するに当たって,公権力行使等地方公務員の職とこれに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する一体的な管理職の任用制度を構築して人事の適正な運用を図ることも,その判断により行うことができるものというべきである。
 そうすると,普通地方公共団体が上記のような管理職の任用制度を構築した上で,日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることは,合理的な理由に基づいて日本国民である職員と在留外国人である職員とを区別するものであり,上記の措置は,労働基準法3条にも,憲法14条1項にも違反するものではないと解するのが相当である。
 そして,この理は,前記の特別永住者についても異なるものではない。

 極めつけは,最後の部分です。
 最高裁平成17年大法廷判決は,当然に在日外国人が管理職に就任することが許されないとはしなかったものの,平成7年最高裁判決のように,一部の外国人に関しては,ある種の特別な取扱いをすることを許容せず,<特別永住者についても異なるものではない>として,外国人を類型化する考え方を否定しています。

 この二つの最高裁判決は,もちろん前者が小法廷判決で後者が大法廷判決という点でもその憲法的意義が異なることは自ずと推察されるのですが,前者と異なり大法廷判決が永住外国人を特別扱いしなかったことに大きな意味があると言えるでしょう。

 それに,結論の違いも重要な意味があります。

 平成17年で問題となったのは,特別永住外国人が東京都の管理職試験に受験することができるのか,という点で,最高裁大法廷はそれについて「NO」と言ったわけです。

 一方,平成7年の小法廷判決で問題となったのは,日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するとした点の違憲性で,これについては,小法廷は「OK」とした上で,傍論で一部の在日外国人について地方選挙権を付与できる余地を認めたに過ぎません。

 この二つの判決を比較したとき,外国人参政権について,果たして最高裁は合憲の立場に立つものかどうか,と問われたら,やはり最高裁の,それも大法廷が特別永住外国人でさえ管理職になれない場合もあると認めた以上は,いわゆる憲法が外国人参政権を禁止したとする「禁止説」の立場に立っている,と考えざるを得ないように思われます。

 現に,平成17年最高裁大法廷判決の調査官は,平成7年判決を「傍論」と明確に書いているあたりからも,どうもそのような結論が正しいように思われます。
 
 仮に外国人参政権の付与が憲法的に許容されると考えるのであれば,平成7年小法廷判決だけを見るのではなく,判例の立場をさまざまな事件と照らし合わせながら網羅的に考えて,やはり最高裁がいったいどのような考え方に立っているのか,ということを合理的に説明することが必要となるでしょう。

 今のところは,どうもそのあたりの説明がなされている文献というのは,なかなか見あたらないのが現状です。

検察審査会「不起訴不当」

 
             小沢氏逆襲どころかまた逆風 不起訴不当
 http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20100716-654034.html

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件のうち、07年報告書分を審査していた東京第1検察審査会は15日、政治資金規正法違反の疑いで告発され、2月に不起訴とされた小沢氏を「不起訴不当」とする議決を公表した。  検察は再度不起訴にする見通し。

 検察審査会は,不服のある者からの審査申立てを受けると,検察官のした不起訴処分の当否を審査します。 

 いかなる議決をすることができるか,についても確認しておきましょう。

第39条の5  検察審査会は、検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める議決をするものとする。
 一  起訴を相当と認めるとき 起訴を相当とする議決
 二  前号に掲げる場合を除き、公訴を提起しない処分を不当と認めるとき 公訴を提起しない処分を不当とする議決
 三  公訴を提起しない処分を相当と認めるとき 公訴を提起しない処分を相当とする議決
2  前項第一号の議決をするには、〔…〕検察審査員8人以上の多数によらなければならない。

 小沢氏は,もう一つの事件では,39条の5第1項第1号の「起訴相当」の議決を受けています。

 したがって,検察審査会が「起訴議決」(41条の6)をすれば,強制起訴に至る可能性があります。

 ここに来て,こんな話も出てきています。

 【小沢氏「不起訴不当】視点 「外圧」排除し公平審査を 小沢氏「不起訴不当
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100715/crm1007152053030-n1.htm

 2つの検察審査会小沢一郎氏に対する判断が分かれた。第1検審の「不起訴不当」議決を受け検察は再捜査するが、再び不起訴となる公算が大きく、小沢氏が強制的に起訴されるか否かの判断は第5検審に絞られることになった。ただ第5検審の再審査は難航し、議決が出されるのは秋ごろの見通しとなっている。  改正検察審査会法に基づき、昨年5月の裁判員裁判制度導入と同時に大幅に権限が強化された検審。小沢氏や鳩山由紀夫前首相の政治資金規正法違反容疑などを扱い社会的に注目される中、その中立性や独立性を脅かすような「外的圧力」が問題となっている。  第5検審が小沢氏に対して「起訴相当」議決を出した直後の5月には、民主党の辻恵副幹事長が検審事務局に審査手続きの説明を求めていたことが判明。辻氏は「圧力とは違う」としたが、政治家からの接触自体が批判の対象となった。  審査自体に影響を及ぼしかねない事態も起きている。起訴相当議決後、審査補助員を務めた弁護士のもとには批判が集中した。弁護士が所属する弁護士会関係者は「審査補助員の選定などについて、政界関係者からの問い合わせは多数あった」と話す。  再審査では必ず審査補助員を置き、法的助言を受けなければならないが、関係者によると、1回目の弁護士が再任を拒否し、第5検審の審査補助員は空席のまま。審査が遅れている要因の一つとされ、「こんな状態ではだれも手を挙げないだろう。このままではなり手がいなくなってしまう」(法曹関係者)と危惧(きぐ)する声も聞かれる。  「国民の常識や視点を反映する」という当初の趣旨を機能させていくためには「外圧」の排除は言うまでもない。公平に審査できる体制づくりが求められている。(上塚真由)>

 検察審査員を保護する規定としては,実はあまり多くはなく,42条の2で不利益取扱いの禁止が定められ,44条の2は,検察審査員とその周囲の者に対して,威迫の行為をした者を処罰する規定を,45条は,不正の請託(せいたく)をした者を処罰する規定を置いているくらいです。

 そもそも検察審査会自体,検察官の公訴権実行に民意を反映させる趣旨で設置されているものですから,政治家などにより圧力を受けるという事態まで想定していないのが現実であろうかと思います。
 

theme : 政治・経済・時事問題
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