FC2ブログ

Il testimone...

人生朝露の如し 一日を大切に記していきます

「体罰と犯罪」頭部への打撃6(東京高裁昭和56年4月1日判決)

さて、東京高裁が示した一定の判断枠組み
「教育基本法、学校教育法その他の関係諸法令にうかがわれる基本的な教育原理と教育指針を念頭に置き、更に生徒の年齢、性別、性格、成育過程、身体的状況、非 行等の内容、懲戒の趣旨、有形力行使の態様・程度、教育的効果、身体的侵害の大小・結果等を総合して、社会通念に則り、結局は各事例ごとに相当性の有無を 具体的・個別的に判定する」
ですが、裁判所は、次のような事情を使って判断しています。
こちらで簡単に整理します。

【東京高裁が「体罰」の限界をさぐる上で使った事情】

・A教諭の行為の動機・目的
→V君の軽率な言動に対してその非を指摘して注意すると同時に同人の今後の自覚を促すことにその主眼があつた
・A教諭の暴力の態様・程度
→平手及び軽く握つた右手の拳で同人の頭部を数回軽くたたいたという軽度のものにすぎない。
・A教諭の年齢(当時40歳)、健康状態、言動
→いたずらに個人的感情に走らないようその抑制に配慮を巡らし、かつ、その行動の態様自体も教育的活動としての節度を失わず、また、行為の程度もいわば身体的説諭・訓戒・叱責として、口頭によるそれと同一視してよい程度の軽微な身体的侵害にとどまっている
 V君の身体に不当・不必要な害悪を加え、又は同人に肉体的苦痛を与え、体罰といえる程度にまで達していたとはいえず、同人としても受忍すべき限度内の侵害行為であつたといわなければならない。

  果たしてA教諭の行動は、「暴行罪」として処罰されるだけのものだったのか・・・東京高裁は、上のような事情を考慮して、それは処罰に値しない、と言うわけです。
関連記事

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

  1. 2013/02/03(日) 14:56:03|
  2. 社会