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わたしたちの憲法を考える(1)前文1

 
             日本国憲法と聞くと,憲法改正の問題を連想されるかたも多いと思います。
 しかし改憲派も護憲派もそうなのですが,中には憲法をほとんど読んだことのない人もいます。憲法9条しか知っている条文がないという人もいるでしょう。

 改正問題をするのは大いに結構ですが,まず憲法を知る。ここから初めて見てはどうでしょうか。
 読んで改憲派が護憲派になることもあるし,またその逆もあるかと存じます。

 これから不定期ではありますが,日本国憲法を読み進めていくエントリをたてていきたいと思っています。
 今回は「日本国憲法前文」です。少し長いので,今日は半分だけ。
 読み進めるにあたっては,憲法の理解のためにもGHQ草案を併記することとします。

(必要に応じて改行しています。)

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 We, the Japanese People, acting through our duly elected representatives in the National Diet, determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, do proclaim the sovereignty of the people's will and do ordain and establish this Constitution, founded upon the universal principle that government is a sacred trust the authority for which is derived from the people, the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which are enjoyed by the people; and we reject and revoke all constitutions, ordinances, laws and rescripts in conflict herewith.

 法学部卒のかたは分かると思いますが,きっと憲法の前文なんて授業で触れられたことはほとんどなかったでしょう。
 前文の一つ一つを丹念に読んだ人なんて,法学部を出ていたとしてもほとんどいないのではないでしょうか?

 法律論としては,法規範性はあっても裁判規範ではない,と言われることがあります。早い話が,憲法の内容であっても,前文の内容に違反したからと言って「前文違反」であると裁判で主張できないということです。

 内容を見ていきます。

 <わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保>
 簡単に言えば,人は自由がある。基本的人権が保障されている,ということを謳っています。

 <政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意>
 平和主義の原理が謳われています。

 <ここに主権が国民に存することを宣言>
 国民主権の原理が謳われています。
 ここまでの前文冒頭で憲法の三代原則(基本的人権の尊重,平和主義国民主権)が明記されたことになります。

 (ここに主権が国民に存することを宣言し,その国民が)<この憲法を確定する>
 日本国憲法が民定憲法である,と言っています。

 <国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来>
 再び国民主権の原理を確認しています。
 
 <その権力は国民の代表者がこれを行使>
 代表民主制を採用する,としています。それゆえ憲法は限定的にしか直接民主政を認めていません(96条の憲法改正など)。

 <これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである>
 これまで述べてきた憲法の重要な原則が<人類普遍>(universal)であるとしています。
 穿(うが)った読み方をすると,ここら辺はいかにもアメリカの文章だな,と思わされます。
 これらの原理を採用するのは当たり前だ,これぞ人類だ,と言っているところに押しつけがましさを感じないわけではありません。
 そういうところに,戦争をするたびに「民主主義を広める」と言い続けてきたアメリカらしさが滲み出ているような気もします。

 <われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。>
 これはどのように読むかにもよるのですが,憲法に反する法律を許さないとしているという点で憲法の最高法規性を示していると言えますし,「これ」が指すものが憲法の諸原則であるとすると,憲法改正の限界を示していると言えます(とすると,憲法改正するとしても基本的人権の尊重や平和主義などの原理を覆せないということになります)。

* * *

 ここからは純粋な法律論ではないのですが,政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意>の一文は広く国民に議論されて然るべきだと思います。

 どういうことかと申しますと,GHQ草案を見ると分かりやすいのですが,憲法はthe horrors of war(戦争の惨禍)がthe action of government(政府の行為)through(によつて/のために)visit(引き起こされた)としており,穿(うが)った見方かも知れませんが,読み方によっては,過去の戦争は専ら「政府の行為」が全ての元凶と読めなくもありません。

 もちろん当時,国家の意思を決定していたのは「政府」(government)であったことは否定しません。
 しかしあの戦争の主体は「日本国」であり,現実として「日本国」が戦っていたわけです。それに「日本国」だけが戦っていたわけではなく,戦争には必ず相手国が存在します。今となっては,真珠湾攻撃の前に,アメリカが先制攻撃を予定したことが明らかになっていますし,必ずしも日本のgovernmentだけが戦争への参加を決定したわけでもありません。
 ならば,素直にあの戦争の原因を「the action of government」に求めるのには疑問を生じます。
 それにgovernmentにする必然性もなく,例えばstate(国家)でも良かったでしょうし,People(国民)でもよかったでしょう。また,戦争の原因について一刀両断に「誰それのせい」と言うことができないのであれば,わざわざthe action of governmentとすることもなかったと言えます。


 なぜ「政府の行為によつて」という書き方をしたのか,については今一度考える必要があると思います。
 ちなみに前文では「国家」という言葉が使われている箇所がありますし,「国民」という言葉も前文の中で多用されています。しかし唯一,この一文だけはわざわざ「政府」という言葉を使って,戦争の惨禍を引き起こした原因主体を断定しているのです。

 あるかたは,「歴史とは勝者の歴史であって,勝者が作るものだ」と言うかも知れません。なるほどそうすれば「政府の行為」とGHQが決めつけた理由も頷けます。
 また,それとは別に一つの推測ではありますが,「国家」としてしまうと敗戦後の日本国の占領に差し障りがあるとGHQが判断した可能性もあるかもしれません。
 「国家が悪かった」としてしまうと,天皇制を存続させる上でこれまで「国体」とされてきた天皇が傷つくことを回避しようとした可能性もあります(GHQ国体明徴問題に触れるわけにもいかないでしょうし)。

 いろいろな解釈が可能だと思いますが,みなさんはどのようにお考えになるでしょうか・・・
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tag : 天皇 日本国憲法 前文 法規範 政府 国家 GHQ 国体明徴 平和主義 国民主権

comment

Secret

くるくるさん こんにちは。

戦争の主体国は日本国・・・あえて政府としたのは、天皇を傷つけないため。なるほどですね~。
天皇制を排してしまいますと、その後の統治に支障が出るとして、天皇を国民のよりどころをして残したのですよね。

天皇の責任問題も意見が分かれております。私は、有る と考えています。
昭和天皇は「君臨すれど統治せず」の立場をお取りになっていました。
当時の軍部は独立統帥権を盾に、内閣の干渉を受けなかった。やりたい放題です。
軍部を抑えられる人がいたとすれば、統帥権をお持ちになっていた天皇お一人でした。
軍部から上げられる虚偽の報告に、戦況を正しく把握できなかったとしても、当時の憲法が天皇の統帥権を認めている以上、天皇無罪とは言えません。

歴史は勝者がつくる>
これには同意です。米軍は戦地で人道主義を貫いたかのように伝えています。
米軍の残虐の証言本などが、GHQの検閲によって発行禁止にされました。
米軍は正義の軍隊であり続けなければならない。原爆は戦争を終わらせるための手段でなければならない。

真珠湾攻撃の前に予定されていた先制攻撃。
しかし真珠湾攻撃に関する情報を傍受した米は、(正しくは不戦をマニフェストにしていたルーズベルトは)これを開戦の大義名分にしました。
アメリカはベトナム戦争でも、大義名分を作るためにトンキン湾事件を自作自演しました。

公平な視点で見れば見るほど、戦争と言うものは白黒つけ難いもの、つけられないものだと思います。
かといって日本に責任がない、などという結論には至りませんが。

民主主義の押し付け方は、流石 国家警察ぶったアメリカです。
民主主義信奉者の私ですが、アメリカ様に頂いた憲法を読むと腹が立ちます。

>平和主義などの原理を覆せないということになります。

不変の原理ですって。冗談じゃありません。^^

代表者ではなく国民投票で憲法改定が行われても良いわけですよね。(96条)ところが・・・・・

>われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

改憲できないよう、釘を刺されてしまったようなものですね。
仮に・・・国民が「日本は戦争します」への改憲を支持したとしても、「これに反する一切の憲法・法令・詔勅を排除する」のですから。全然、国民主権ではありませんね。お前は平和主義に徹しなさい。我が国は戦争しても良いのです、ということですね。これでは「民主主義を広める」アメリカの呪縛から永遠に解かれませんね。

すみません、アメリカについて語る時、鴻は平常心でいられません。
お目汚しになるようでしたら御遠慮なく非公開にしてくださいねm(_ _)m

はじめまして。

「政府の行為」についてですが、憲法の性質からくる文言ではないでしょうか。

すなわち、憲法は統治機構を制限することで国民の人権を守ることを目的とする法ですから、国民が(国会を通じて)政府を監視していきますよ、という意味で使われているのだと考えます。

この文章は主語の「日本国民」を受けてのものですから、「政府」という文言を「国家」や「国民」に変えてしまうと、憲法前文という性質から考えた場合におかしなものになってしまうのではないでしょうか。

憲法作成の動機

改めて読み返して見ると人間とは良く言えば普遍的、悪く言えば有史以来進歩がない生物であると改めて実感します。
大航海時代にスペインやポルトガルはカトリックの布教によって現地人を洗脳し支配する道具にしました。
現在の米が広めようとしている概念「自由、人権、民主主義」とは反対のしにくいものですが、何のことはないカトリックの布教による洗脳のパターンと大差ありません。
大陸欧州では米英は大義名分の下に自分の本音を巧妙に隠す名人であると影で言われていますが、私もそう思います。

「全ての国家は自国の陸軍が侵攻できる最大範囲まで自分たちのシステムを押し付けようとするものだ。」 スターリン

9条だけでなく、前文も過剰なまでの平和、平和、平和ですね。
ペリリューや硫黄島や沖縄での戦いがよっぽど堪えたのでしょうか?
だとすると、このような憲法を作った動機は「恐怖」であるということになります。
「戦争とは人類普遍の行動であり、この憲法は、かかる恐怖に基くものである。」というのが米の本音なのかもしれません。

鴻さん コメントありがとうございます

 こんばんは。

 <天皇制を排してしまいますと、その後の統治に支障が出るとして、天皇を国民のよりどころをして残したのですよね。>
 一つは仰るように天皇が国民のよりどころとなっていたこともありますが,もう一つ理由があります。
 マッカーサーにとって天皇制というシステムが「防共の砦」として使用価値を見いだした,ということです。
 戦後直後の日本を見たマッカーサーは,これまでほとんど発言力がなかった共産主義者らが国内で勢力を伸ばしていることに気づきます。このままでは日本の赤化が進む一方であることに危惧し,マッカーサーは天皇制を利用してどうにか日本の赤化を食い止められないかを考えたのだと思います。

 天皇の戦争責任に関しては,ここで深く述べるのは差し控えようと思います。
 後日,天皇に関する憲法の定めにも触れますので,機会があったらそこで述べます。

 <米軍は正義の軍隊であり続けなければならない。原爆は戦争を終わらせるための手段でなければならない。>
 これまでアメリカ国内で言われていたのは,原爆投下は「戦争を終わらせるための手段だった」でした。しかし最近困ったことに,アメリカでは「原爆投下を日本人は感謝している」という説が広まりつつもあります。たぶんNewYork Timesだったと思うのですが,日本の元特攻隊員が「原爆を落としたことで特攻に行かなくて済んだ」という旨の手紙が紹介されたことがきっかけです。

 <真珠湾攻撃の前に予定されていた先制攻撃。
 しかし真珠湾攻撃に関する情報を傍受した米は、(正しくは不戦をマニフェストにしていたルーズベルトは)これを開戦の大義名分にしました。>
 そうですね。そして真珠湾攻撃はアメリカにとって戦争を正当化付ける根拠にも利用されました。
 イラク戦争もそうでした。大量破壊兵器があるという前提で,先にやらなければやられてしまう,あの真珠湾攻撃を思い出せ(Remember Pearl Harbor!!)と,米国政府だけでなく,マスメディアも国民に危機感を煽ったのです。
 あのとき米国国内でイラク戦争に反対していた人たちは,反戦家の一部と,これまで米国では「保守派」と言われてきたリアリストたちだけでした。

 <公平な視点で見れば見るほど、戦争と言うものは白黒つけ難いもの、つけられないものだと思います。
 かといって日本に責任がない、などという結論には至りませんが。>
 戦争を評価するのはたいへん難しいことだと思います。
 誰しも「戦争が悪いこと」「戦争はしてはいけない」と思っていながらも,人類は戦争ばかりをしてきました。
 もはや「戦争が悪いこと」ばかりを子どもたちに教えるだけではダメなのかもしれません。なぜ戦争が起きるのか,日本はなぜあの戦争に負けたのか,をもっと考える必要を感じます。

 <民主主義の押し付け方は、流石 国家警察ぶったアメリカです。>
 民主主義と一言で言っても,鴻さんもお気づきのように,個人主義的なアメリカン・デモクラシーなんですよね。早く言えば,米国的価値観。ハッキリ言って押しつけがましいものです。

 では,戦前の日本に民主主義はなかったか?そんなことはなかったんですよね。
 戦前の日本も,制限選挙制ではあったけれど,民主主義をやっていました。

 しかしアメリカ人はそうは思っていなかったみたいです。
 ブッシュ大統領は2007年8月22日,ある場で<1940年代の大日本帝国はアルカイダと同じだ>と述べています。
 さらに<日本の軍国主義者も,朝鮮やベトナムの共産主義者も,人類を自分たちの思うように統制しようという非情な世界観に突き動かされていた>と断定しながらも,<アメリカがその前に立ちはだかったため,彼らはアメリカ人を殺害した>と語っています。
 酷い歴史観でしょ?(笑)やっぱり米国はスーパーマンでなければいけない,っていう究極の自慰史観なんですよ。
 
 そのことは今一度,われわれ日本人も認識しておかなければなりません。米国がどういった国なのか,ということを。

 <改憲できないよう、釘を刺されてしまったようなものですね。>
 現在の日本の憲法学説の多くが,憲法改正には限界がある,としています。
 私もその見解に属します。例えば,改正憲法の中身を,国民主権から天皇主権に移すことはできないし,普通選挙制を制限選挙制に変えることもできないと考えています。

 今の憲法を改正するためには,議員の2/3以上の賛成で改正を発案し,国民の1/2以上の賛成で改正を承認するという手続が必要です。こういう改正しにくい憲法のことを,「硬性憲法」といいます。
 これはGHQ草案によるものです。だから,一部でGHQが「憲法を事実上改正できないようにした」と言われるのも理由があります。

 もっとも,私は憲法を改正しにくくしたのは,GHQのせいだけではないと思っています。なぜなら,実は当時の日本共産党も社会党も賛成していたからです。両政党が提案していた憲法草案にもそう書いてあります。改正するためには,2/3以上の議員の賛成を必要にしよう,と。
 その意味では,硬性憲法にしたのは日本人の意思でもあったんですね。

 <仮に・・・国民が「日本は戦争します」への改憲を支持したとしても、「これに反する一切の憲法・法令・詔勅を排除する」のですから。>
 ここが議論になるところでもあります。
 一部では,例えば9条を改正することは平和主義を撤廃するものとして,「これに反する一切の憲法・法令・詔勅」として「排除」されるのではないか,と考える論者もいます。
 しかし一方で,例えば9条2項を廃止して,正規軍(自衛軍みたいなもの)を創設する規定に変えることも,また民主主義であり,国民の意思によるものであれば,それは決して平和主義に反しないのだろう,という意見もあります。

 おそらく後者が妥当でしょう。
 但し,9条1項の改正に関しては侵略戦争を放棄する規定と考えるのが普通ですから,これを廃止するのは平和主義に抵触し,改正の限界として不可能となる,というのが一般的だと思います。

オサムっちさん コメントありがとうございます

 はじめまして。管理人のくるくるです。どうぞよろしくおねがいします。

 <「政府の行為」についてですが、憲法の性質からくる文言ではないでしょうか。
 すなわち、憲法は統治機構を制限することで国民の人権を守ることを目的とする法ですから、国民が(国会を通じて)政府を監視していきますよ、という意味で使われているのだと考えます。>
 そのようなご意見をお待ちしていました。
 おっしゃるとおり,憲法にはそのような性質があります。憲法学では「立憲的意味の憲法」あるいは「立憲主義(Constitutionalism)」と呼ばれているものですね。
 つまり,憲法は国家権力を拘束する法である,ということですね。

 あえて法律論とは離れて「政府の行為」というものを考えてみましたが,私もオサムっちさんの仰ることが正しいと思います。
 
 しかしそれでも「政府の行為によつて」という文言について,考える必要性がある,と私が言ったのは,天皇制を考える上で意味があったと思うからなんです。
 どういうことかと申しますと,この文言で,「政府」とは何を意味するのか,それは天皇を含んでいるのか,という問題です。

 その問題を考える上で,天皇機関説の意味や国体明徴声明の意義を考えることが必須になってきます。
 それと,現行憲法下では,天皇もまた「日本国民」であるとされていることのバランスです(但し日本国民とは異なる権利義務がある)。
 仮に「政府」とは,(今とは別個の)当時の「政府」を意味するものとすれば,天皇を含んで考えざるを得ませんし,「政府」とは行政権を司るもの(内閣や行政機関)だとすれば,天皇はこれに含まれなくなります。
 その意味で「政府の行為」とは具体的にどういったものを指すのか,についてはキチンと考える必要があると思ったのです。

WIZARD03さん コメントありがとうございます

 こんばんはー

 <改めて読み返して見ると人間とは良く言えば普遍的、悪く言えば有史以来進歩がない生物であると改めて実感します。・・・現在の米が広めようとしている概念「自由、人権、民主主義」とは反対のしにくいものですが、何のことはないカトリックの布教による洗脳のパターンと大差ありません。
 大陸欧州では米英は大義名分の下に自分の本音を巧妙に隠す名人であると影で言われていますが、私もそう思います。>
 米国がヒントを得たのは,自分たちの本流であるフランス革命なんだろうと思います。
 フランス革命では,初めて人の心を紙媒体,絵画などを通じて支配するという試みがなされました。早い話が,革命を成功させるための洗脳として,こういったmedia(媒体)が使われたのです。

 WIZARD03さんがご指摘くださったように,この米英流の洗脳のやりかたは今でも変わってはいないと思います。
 GHQが日本を占領支配するための戦略「3R5D3S政策」がそうですよね。
 「3R5D3S政策」
 =Revenge/Reform/Revival
   Disarmament/Demilitarization/Disindustrialization/Decentralization/Democratization
Sex/Screen/Sport
 特に重要だったのは,3Sでこれは日本人の価値観を変化させるために使われました。

 実にその意味では,米英は凄まじい情報力を持っていた(いる),といえますよね。それが(日本にはまだ備わっていない)シーパワーの特徴でもあります。

 <9条だけでなく、前文も過剰なまでの平和、平和、平和ですね。ペリリューや硫黄島や沖縄での戦いがよっぽど堪えたのでしょうか?
 だとすると、このような憲法を作った動機は「恐怖」であるということになります。>
 仰るように「恐怖」。まさに一種のパニック状態に日本国内がなっていたと言えます。なにせ当時の社会党は制限的ながらも天皇に統治権を認める草案を作っていたくらいですからね(笑)。

 <「戦争とは人類普遍の行動であり、この憲法は、かかる恐怖に基くものである。」というのが米の本音なのかもしれません。>
 (笑)私も同感です。
 歴史は繰り返すと言いますが,戦争もまた繰り返されてきました。あのイラク戦争に反対したのは誰だったでしょうか?米国の民主党は反対したでしょうか?ニューヨークタイムズだったでしょうか?(笑)
 あの戦争に早くから反対したのは,言うまでもなく米国内のミアシャイマーらリアリストたちだったわけです。イデオロギーに囚われて戦争へと足を踏み入れた米国に対して,リアリズムの可能性にかけてみたいものです。

 実は前文の後半部分が日本語としてもっと楽しめると思うので,近いうちにまた更新したいと思っています。

Re:オサムっちさん コメントありがとうございます

なるほど。

つまり、戦争責任は誰にあったのか、天皇も責任の主体に含むのかを検討したいという意図だということですね。これを純粋な学問上の議論ではなく、実社会との結びつきの上から検討していくとすれば、とても困難な課題ですね。

まぁ、「日本国民は、(中略)政府によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し~」という一文のみからはその点についての検討は困難ですから、現行憲法以外の別の切り口から議論するしかないように思えます。もし実際に検討するとすれば、どのような視点から切り込むのか楽しみです。

それと、

>現行憲法下では,天皇もまた「日本国民」であるとされている

と述べられていますが、確か、憲法は「国民の権利および義務」について規定した第三章とは別に一章を設けて「天皇」を取り上げていたように思います。この点、くるくるさんが言われていることは正確ではないようにに思うのですが、いかがでしょうか。

他の方のコメントに対するくるくるさんの返答に広範な知識と思慮深さを感じ、好感が持てます。若干の嫉妬も覚えますが。

客観的に物事を見つめる、それを文章に表現する、しかもそれでいて読者を惹きつける、ともなれば、難しい試みで大変だと思いますが、応援しています(と言っても読ませていただくことしかできないと思いますが)。

オサムっちさん コメントありがとうございます

 またコメントくださいましてありがとうございます!
 オサムっちさんのように,憲法学に精通したかたからコメントをいただけることに,感謝感謝です。貴重なご意見ありがとうございます。

 <純粋な学問上の議論ではなく、実社会との結びつきの上から検討していくとすれば、とても困難な課題ですね。>
 ご理解ありがとうございました。
 ちょっと法律学とは異なる視点ですので,普通はこんなことを問題視するような人もいないのでしょうが,少し気になっています。

 <くるくるさんが言われていることは正確ではないようにに思うのですが、いかがでしょうか。>
 ここは少し正確に申し上げなければならないことでした。
 オサムっちさんは,憲法学の中で「人権享有主体性」という言葉を聞いたことがございますでしょうか。
 憲法上の人権を享有できる主体であるのか,言うなれば「国民」(第三章)にあたるのかどうか,という問題です。

 例えば外国人の「人権共有主体性」に関しては,確かに第三章の「国民」には該当しませんので,外国人は日本国憲法の人権を享受できなさそうに思えますが,今のところ,学説上も判例上も,日本国民のみをその対象と解されるものを除いては,外国人にも憲法上の権利の保障が及びまっせ~と考えられています。

 で,お問い合わせの天皇は「国民」かという問題なのですが,一応憲法学では「天皇=国民」と考えられていたと記憶しています。
 しかし天皇といっても,「日本国の象徴」であるとともに「国民統合の象徴」でもありますから,普通の「国民」とは違う権利や義務がある,というのがおおかたの学説の見方だと思います。 
 オサムっちさんがご指摘くださった第一章に,第4条というのがあります。これは天皇が国政に関する権能を有しないという規定ですが,この規定から天皇は「国民」と異なり参政権や政治活動の自由の保障を受けないと解されています。
 だから,少し注意深く言わなければいけないことではありますが,一応,「天皇は国民」という言い方で正しいかと存じます。ちなみに,国家試験(司法試験など)の論文試験でも,受験生の多くが「天皇は国民」と書いており,この見方は一応「学界の見解」なのかな,なんて思っております。

 <他の方のコメントに対するくるくるさんの返答に広範な知識と思慮深さを感じ、好感が持てます。若干の嫉妬も覚えますが。>
 オ,オサムっちさん。
 褒めすぎでございます(笑)。あ,どうぞどうぞ,そこの菓子折は持って行ってくださいませ(媚)。あ,お茶でも飲まれますか?ささ,どうぞどうぞ(媚)。

 <客観的に物事を見つめる、それを文章に表現する、しかもそれでいて読者を惹きつける、ともなれば、難しい試みで大変だと思いますが、応援しています(と言っても読ませていただくことしかできないと思いますが)。>
 オサムっちさんは憲法に関しては高度の知識をお持ちなのでは?コメントからもそう感じることがありました。
 また遠慮なくコメントをしてくださいまし!

 これからもどうぞ宜しくお願いします!!
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くるくる

管理者:くるくる
 主に政治ニュースを取り扱っています。メディア・リテラシーを身につけて客観的に物事を見つめる能力を養うことが目的です。
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