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(社会)ペダルを踏み外した競輪選手
                              2007/12/30 16:08社会
  
 
競輪選手を逮捕=女子バレー部合宿所に侵入−千葉県警
12月30日13時30分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071230-00000018-jij-soci
 高校の女子バレー部の合宿所に侵入したとして、千葉県警柏署は30日、建造物侵入の現行犯で、秋田県大仙市花館杉本、競輪選手三井呂之容疑者(33)を逮捕した。「わいせつ行為をしようと思った」と容疑を認めているという。
 調べでは、三井容疑者は同日午前1時55分ごろ、新潟県の高校の女子バレー部員約30人が合宿していた千葉県柏市の市立柏高校2階に無施錠の窓から侵入した。
 生徒から携帯電話のメールで連絡を受け、駆け付けた顧問らが取り押さえ、柏署員に引き渡した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071230-00000018-jij-soci

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 極めて無思慮だ。

 これに類似した事件では、茂原岳人選手(サッカー選手。ヴァンフォーレ甲府から柏レイソルに移籍が決定)による住居侵入が想起される。茂原選手は、平成18年3月20日に、川崎市内の女性宅に侵入、ただし当時の茂原選手は、酩酊状態での誤侵入だったために、起訴猶予処分となった。

 茂原選手の場合は、彼が酩酊状態であり、事件性が弱いとされ起訴猶予処分となったから、茂原選手には再起のチャンスが与えられ、今では持ち前のセンスで素晴らしいプレイヤーとして帰ってきたが、この競輪選手の場合はどうなのだろう。

 やはり、本件の競輪選手は「わいせつ行為をしようとした」とされていることから、特に酩酊状態など心神喪失・耗弱下にあったとはいえず、確定的な認識のもとに犯意をもって建造物に侵入した、と考えるのが素直だろう。
 ゆえに社会的に強く非難されてしかるべき事件だといえる。

 ところで、この競輪選手は、なぜこの女子バレー部の合宿場所を知っているのか、気になってしまった。
 計画的な犯行なのか、それともたまたま女子バレー部の合宿地であることを知ったのを奇貨として犯意を惹起させてしまったのか、その点についてはいまいち分からない。もし事前に調べていたとすれば・・・なんて、考えるのはやめておこう。

 思えば、わたしが小さかった頃(10年以上前)、それほど施錠には気をつけていなかったとおもう。10分程度の外出ならば、鍵を閉めなくてもよかった。

 だが、近時は施錠することが当たり前の世界になっている。

 このことは、かつての施錠をせずとも安心・安全な地域コミュニティが失われてしまった、ということも言えそうだが、それだけ治安に不安を覚えた国民が防犯意識を高めて、危険因子の存在を強く意識するようになった、とも言えるだろう。

 ところで、なにをもって建造物侵入にあたるのか、というのは、アクセスしてくださったみなさんは考えたことがあるだろうか。

 昭和14年の大審院判決なんかを見ると、家長の持つ住居立入許諾権である「住居権」という概念を認めて、家長の意思に反する立入建造物侵入と考えているようだ。
 だが、むろん、こんにちにおいてはさすがに家父長制のような家族制度はとられていないため、家長のもつ住居権に特化して建造物侵入罪を論ずるわけにはいかない。

 だが、歴史的沿革もその考慮に入れたとき、「住居権」なる概念は認めて良いだろう。
 だから、建造物侵入における「立入」というものは、居住者全体が持つ住居権を害するもの、すなわち居住者の意思に反する「立入」すべてを建造物侵入と考えるべきだ。
 ちなみに、住居権や居住者の意思を殊更問題視せずに、住居の平穏を侵害する態様での立入を建造物侵入と考える見解もある。

 いずれにせよ、このわいせつ目的の競輪選手の立入は建造物侵入にあたると考えてよいのだが、わたしは何を持って建造物侵入とするかは、しっかりと社会的コンセンサスを築いておくべきだと考えている。

 たとえば、この間も共産党のビラを配っていた僧侶が建造物侵入に問われ、逆転有罪の判決を受けたが(上訴中)、社会が何をもって建造物侵入とするのかのコンセンサスをきちんと作っておかないと、安易に他人の家の土を踏むことはできなくなってしまうだろう。

  
       
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