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自民党:民主党を生かすも殺すも「自民党」次第

 
            首班指名選挙で自民党が揺れている。衆院選で惨敗し、国民からNOを突き付けられた現自民党総裁の麻生首相の名前を書いていいものか、そうだとしても誰の名前を書いていいのか。

国民からすれば、党内のゴタゴタを見せ付けられて見苦しいことこの上ないのだが、なるほどよく考えて見れば、難しい問題だ。

麻生首相が自民党総裁を辞する旨をすでに表明しており、首班指名選挙以降に行われる総裁選では麻生首相以外の者が総裁となるのは間違いない。その意味で、もう自民党総裁を辞める人を、自民党という政党として首相に担ぐ意味はないのである。

*******

そこで、首班指名選挙では、自民党議員は首相候補未定として白票を投じればいいのではないか、という話が有力になってきた。ただ、党内では、首班指名選挙で白票を投じることには「無責任だ」などの反対論も根強い。

ただ、繰り返し申し上げるが、国民にとって、こんなことはどうでもいいのである。
そもそも、すでに衆院選で惨敗した自民党は下野する過程にあって、なにをやっても恰好がつかない立場にある。
麻生首相に投ずれば「NOと言われた人を首相に推すのか」といわれ、白票を投ずれば「無責任」と言われる。自主投票にすれば「自民党はまとまりがない」、仮に新たな候補者を立てたとしても「いまだ自民党総裁でもない人を首相に推すのは矛盾」と言われる。
挙党一致したくても、総裁選が終わるまでの間、求心力を失った麻生首相の下ではまとまらない。

*******

しかしそれはやむを得ないことなのだ。政権交代を経験した他の国もそうであるように、選挙に負けた政党の選挙直後は敗戦処理に終われる。なにをやっても報われない。

ただ、現在のオバマ政権がそうであるように、国民(メディア)と与党との蜜月関係は長くは続かない。これから民主党も必要な人事を済ませ、具体的な政策の実現に歩みはじめれば、国民は今度は民主党の側に批判の目を向ける。

そのときにこれからの自民党に必要なのは新しいニューリーダーである。

権力を持った民主党は必ずどこかで足を踏み外す。アメリカ民主党を見ればわかるように(アメリカによる戦争の歴史はアメリカ民主党無しには語れない。)、体制批判を普段から繰り返してきたリベラルのほうが、実際に権力を持つと怖いものだ。
そのとき、自民党は国民の支持を背景に彼等の歯止めとなりうる数少ない力となる。

ただし、悲しいのは、自民党の人材不足だ。今でも次期総裁候補として、町村さん、石原さんといった、さまざまな名前が挙がっているが、民主党との対決姿勢を際立たせるには、ややインパクトに欠ける。

民主党政権への不満の受け皿として自民党が機能しなければ、(私は批判的ではあるが)二大政党制のメリットが生かされない。
つまり、自民党再生(あるいは第三極の台頭)が現時点で大いに可塑性のある民主党政権をより良い方向へと導くことにつながるのである。

自民党がいけないのは、仮に衆議院でフレッシュな議員の名前が候補者として挙がっても、衆議院には、日本の伝統や価値を保守するのではなく、vested interest(既得権益)を保守する「古い自民党」の象徴とも言える一部の大物議員の存在が背後にあることを窺わせることである。
だから、若い人が出てきても「この人はバックに○○がついている」と思わせてしまい、フレッシュな人材を生かせない。

その最も適切な具体例となるのは、先の衆院選で落選した山崎拓前自民党副総裁の山崎派会長の続投であろう。
これでは、どんなに「自民党は変わった」と言われても、説得力に欠けてしまう。なぜ、山崎さんが落選したのかということを自民党はよく熟考すべきだろう。
こういった人たちを勇気をもって切ることが、自民党に求められている。

こうなると、いくら大物議員が落選しようが、自民党の本質は変わらないのではないか、との疑念を抱かざるを得ない。

個人的には、もはや参議院自民党に頼るしかないのではないか、と思う。参議院自民党は衆議院に先立っていち早く世代の交代が行われた。その中には、若くて優秀な議員も少なくない。
次期総裁の候補を、この際、参議院議員から選んでもいいのかもしれない。

*******

ところで、おととい書いたように、次期政権は一面では小泉構造改革と変わらなくなるおそれを秘めている。
今のところ、雇用規制が強化される等、さまざまな話が飛び交ってはいるけれど、たとえば、「東アジア共同体」は、その実質は彼等が批判して来た小泉構造改革と何一つ変わらない(国家共同体創設のためには、ヒト・モト・カネに関する分野の大規模な規制緩和が不可欠だからだ。)。

あとあと後悔しても遅い。責任ある一票を投じた以上、自分たちが選択した政権を最後まで見守る義務が国民にはある。
日本共産党のように「自公政権が倒れた」だけで満足をしてはいけない。何のための政権交代であったのか、その意義を見失うべきではない。

「投票したら終わり」ではなく、これからの政権の理解者として、批判者として、広く国家国民をより良い方向へと導くために、国民は政治に厳しい目を光らせ続けなければいけない。
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theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済

tag : 自民党 総裁選 衆院選 東アジア共同体 山崎拓 オバマ リベラル 首班指名

comment

Secret

現代日本の縮図

自民の現状は日本の最大の問題を浮き彫りにしていますね。
それは「人材難」です。
これは私見ですが、この事態を招いた一番最初の原因は明治維新以降、陸軍の運用法をドイツから学んだことにあると思います。
ランドパワーとシーパワーとでは同じ陸軍という組織でも、おのずと運用法が異なるものです。
陸軍の運用も、イギリスから学ぶべきだったのです。
ビスマルクは当代随一の戦略家であることに異論の余地はありません、しかし所詮ランドパワーの人間です。
「朝鮮半島は日本の喉元に突きつけられたナイフだ。」という言葉に動かされ、日韓併合という誤った国家戦略をとり、その時点で日米戦争が回避不能となったのです。
その結果敗北し、GHQによって教育が大幅に劣化させられ、それが今日の人材難を生み出した、と私は思っています。
今やその誤った国家戦略の残滓にすぎない自民党に二大政党制の片割れとして機能するだけの再生の余地があるとは私には思えません。
しかし、だからこそ二大政党制という、ある意味最悪の体制を成立させないために、現状の議席数は案外よいのかもしれません。
しかし人材難という問題は自民だけの問題ではなく、国会議員全体の、しいては日本社会全体の問題です。
こうした人材の劣化はメディアによっても助長されています、ネットで訴え続ける以外に何も思い浮かばない私自身の頭脳も教育やメディアの悪影響から免れてはいないようです。

以下のページは二年前に書かれたものですが、参考になると思います。
http://npslq9-web.hp.infoseek.co.jp/sls169.html

No title

こんにちは。
リンク先を間違えたのかと思いました。
深い森ですね。深呼吸~♪

「落選議員の山拓が派閥の会長に続投」
前代未聞ではないでしょうか。
国民にNOをつきつけられた議員がなぜ。
よほど「既得権益」が美味しかったものとお見受けいたします。
厄病神が1人いなくなったと胸を撫で下ろしていましたのに。
生き残った議員は「古い自民党」を象徴する面々。
どこまでも「古い自民党」を引きずっていくつもりでしょうか。
今こそ、自民特有の体質を改め、世代交代も必要かと思います。

私はまだ自民党に期待を持っています。
「政権交代」という現象が、日本を激震させました。
そう思ったのは、たぶん・・民主が政権をとったら日本が終わる!とプリンティングされたB層の私くらいかな(笑)
手に汗握る思いでした。

しかし・・・民主主義国家では、政権交代は当たり前のこと。
政治を進化させる手段ですよね。日本もそうあるべきだと思います。
自民が国民の拒否によって野党になったように、民主にも民意を示せば良い。

自民が生き残る道、あるいは再度政権与党として選ばれる道があるとすれば
古い自民を脱ぎ捨て、民主と対極にある「健全な野党」として、
足場を固めることだと思います。

>そのとき、自民党は国民の支持を背景に彼等の歯止めとなりうる数少ない力となる。

是非とも自民にはこうあって欲しいですね。
現状、無理そうですが。

No title

このような情報を見つけました。
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-1796.html
また、このままメディアにだまされ続けたままだと、こうなるという例も紹介します。
http://roronotokoro.blog113.fc2.com/blog-entry-215.html
http://roronotokoro.blog113.fc2.com/blog-entry-277.html
すいません、記事とは直接関係のない情報ですが、これは広めるべき情報だと思いました。
このような情報は絶対に新聞やテレビにはでませんね。
これこそ、ネットの利点ですね。

WIZARD03さん

 <現在日本の縮図>という言葉で思ったのですが、民主党の執行部は「現在日本政治の縮図」と言えそうです。
 鳩山由紀夫・・・世襲サラブレッド
 小沢一郎・・・田中派的な旧来の政治体質
 岡田克也・・・財界サラブレッド
 菅直人・・・市民運動的な形で生まれた政治家
 政党を問わず、どの政治家もたいてい民主党の執行部の誰かと経歴を共にするものです。
 私は強いて言えば、小沢さんがこの中では一番良いと思っていますが、タイプの違う4人が絶妙な形で政権をとったわけですから、民主党とは不思議な政党です。

 民主党も右から左までいると言われていますが、自民党もさほど変わりません。小泉元首相を対比軸とした場合、小泉派から反小泉派まで自民党内には存在しています。
 よく自民党崩壊のシナリオは小泉さん、あるいは、衆参ねじれを作ってしまった安倍さんに求めがちですが、私個人は既に森さんの時点で、自民党は終わっていたと感じています。
 急逝された小渕さんは個人的には期待していました。過小評価されていますが、彼が健在であれば、まだ自民党は間違った橋を渡らずに済んだのではないか、との思いが強いです。

 これからのキーは自民党だと書きましたが、実際は公明党もまた鍵となりそうです。公明党は、選挙前のインタビューでほとんどの議員が小泉構造改革に対しておおむね評価する、と述べています。
 その公明党がこれからの政局において、どのような立ち振る舞いをするかは注視する必要があります。小泉派は自民党にも民主党にも、そして、公明党にも居るのです。

WIZARD03さん つづき

 <人材の劣化>は<メディア>にも責任があるとする点は、大いに賛成します。
 いま、米国で議論の対象となっているのが、既存メディア(テレビ・新聞など)とネットとの関係性、についてです。
 米国の既存メディアは、どちらかというと、ネットを敵視し、ネットを「parasite」と侮蔑しています。ネットに掲載された記事の引用や転載を有料にする考えも現実のものになりそうです。
 なぜなら、彼らは、ネット社会が、オリジナルのコンテンツを作らず、自分たちの作るコンテンツにただ乗りして金を稼いでいる、と考えているからです。

 おそらく、いずれ日本でもそのような考えは一部で広まっていくでしょうが、その守旧的な考えは、個人のブログが既存のメディアのサイトアクセス数を超えることも珍しくなくなった今日においては、それほど支持を受けることはないだろう、と思っています。

 ご紹介していただいた情報ですが、確かに我が国では「日本の財政は火の車だ」が濫用されています。

 私はそのことすら懐疑的ですし(楽観的に見ているわけではありませんが。)、必要な財源として消費税以外の新たな選択肢が模索されていないことに疑問を持っています。
 引用先のブログ主さんの言うことの中で、やや賛成しがたい部分もありますが、相続税の引き上げについては、特に賛成としたいと思います。
 民主党には、元官僚出身やメディア出身の人を中心に、スウェーデン・モデルの信奉者や、移民歓迎、消費税増税マンセーの人がいますから、こういった垣根のない税制論議をするよう、民主党内の良識派に頑張って欲しいものです。
 

鴻さん

 <「落選議員の山拓が派閥の会長に続投」前代未聞ではないでしょうか。>

 おっしゃるとおりです。
 山拓さんに限らず、自民党は、比例名簿の上位にも、森さんだとか、町村さんといった、自民党再生を妨げる議員を入れていました。彼らを切り離せないようでは、自民党の再生は、まだまだ先になりそうです。

 <「政権交代」という現象が、日本を激震させました。
そう思ったのは、たぶん・・民主が政権をとったら日本が終わる!とプリンティングされたB層の私くらいかな(笑)
手に汗握る思いでした。>

 (笑)。しかし政権を交代することだけでも、意味があったと思っています。
 良い例が公明党です。政権を失った途端、独自色を強め、支持母体との太いパイプがある井上氏が幹事長になりましたし、新しい代表となった山口氏は「公明党の福祉と平和」の精神に立ち返りたい、との立場を鮮明にしました。
 公明党は、元は、社民党とさほど変わらない政治スタンスでしたから(聖教新聞を見ると分かるのですが、言っていることが社民党とさほど変わりません。)、その立場に戻る、ということなのでしょう。

 <現状、無理そうですが。>

 ・・・はい(涙)。
 自民党の再生を待つよりも、第三勢力の台頭を期待したほうがいいのかもしれませんね。

* 2009-09-09
* 鴻 URL
* edit
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