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Il testimone...

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[司法] 被疑事件の55%が不起訴ー知っていましたか?

 逮捕されたら、法廷に引っ張り出されて、裁判官から判決の言い渡しを受ける・・・というのが逮捕後のイメージかもしれませんが、実際にそのようなところまでいく人の割合は決して大きくはありません。

 検察官は、被疑者を起訴するか、起訴しないか、について便宜的な裁量がある、というのは皆さんもご承知のとおりだと思います。
 そこに不当な起訴があれば、これをチェックするのが検察審査会である、ということもおそらくご存じだと思います。

 しかし、検察官がどのくらいの割合で起訴と不起訴に振り分けているのか(事件処理)、ということはほとんど知られていません。

 被疑事件のうち、55%は不起訴(起訴猶予)です。起訴されるのはわずか35%程度で、実際に公判請求に至るケースは全体の6%に過ぎません。

 車で人をはねてしまったときに、いわゆるひき逃げをする人が多いですが、自動車による過失致死傷に限って見れば、実際に起訴されるのは10%程度です(平成19年は10%を切りました。)。
 自動車による過失致死傷の場合は、特に悪質な場合は論外ですが、そのほとんどが過失に起因するもので、被害を弁償するなどの措置を講じれば、いちいち検察が起訴しなくてもよいであろう、と考えられるからです。

 このデータ一つをとってみても、検察の有罪獲得率99%のカラクリが分かっていただけるのではないでしょうか。

 * * * * *

 国民はつい被疑者が逮捕されると、「起訴されて当然」と思いがちです。

 ですが、国民が思うほど「起訴」というのは、簡単なものではないのです。
 また、あえて「起訴」しないことにより、軽微な犯罪である場合には早期に社会復帰させるチャンスを与えることができますし、上述したような自動車による過失致死傷の場合には、被害者との間でよく話し合って、民事で解決してもらうほうが適切な場合も多いものです。

 これに関連して、もう一つ、最近、小沢幹事長を一日も早く逮捕せよ、という意見をネット上でよく目にします。その中には、公訴時効の消滅を懸念する声もあるので、一概に悪いとは言えないのですが、逮捕という手続きもそう簡単なものではないのです。

 逮捕のように、強制的に身柄を拘束するような強制処分は、あくまでも例外なのです。
 だからこそ、特捜部は、嫌疑が十分に固まっていない場合、あるいは、固まっているような場合でも、まず任意捜査として取調を行おうとするのです。

 なお、逮捕するということについては、捜査機関にも慎重にならざるを得ない面があります。なぜならば、刑事訴訟法上の身柄拘束の期間制限があるからです。強制的に身柄を抑えることはできるのですが、逮捕・勾留を1年や5年も続けることができるわけではないのです。

 だからこそ、相手を取り調べる際には、まず任意でじっくりと聞いて、嫌疑が十分に固まり、捜査機関としてある程度の心証を形成できて初めて強制捜査という形になるのです。

 こういった基本的な話をおさえた上で、いろいろと考えて欲しいなあ、と思います。

 * * * * *

 ちなみに、勾留期間の制限という話で思い出しましたが、現在、勾留中の石川議員は2月4日で勾留期間の満了となります。事態が動くのは、それからではないかなあ、と思っています。それまでは、さほど目立った動きを期待しないほうがいいとおもいますし、過度にマスコミ報道に振り回されないほうが得策だと思います。

 次回更新 2月6日(土)予定
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  1. 2010/01/28(木) 00:57:37|
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